この世はレースのようにやわらかい

音楽ネタから始まったのですが、最近は美術、はたまた手芸等、特に制限は設けず細々と続けています。

南方熊楠 100年早かった智の人

南方熊楠生誕150周年記念企画展「南方熊楠-100年早かった智の人-」(2017年12月19日(木) ~2018年3月4日(日))- 国立科学博物館

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南方熊楠展を見に行くなんて久し振りじゃないか!

わたしが前回見た熊楠展は、ワタリウムで開催されたものだったから、10年以上も前になるのか。

 

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イケメンだ〜!目はイッちゃってるけど。

なのに彼自身は自分の事を醜男だと思っていた。

熊楠は青年時代、故郷である和歌山県の、和歌山中学で後輩だった羽山兄弟を「ゾッコンの美人なり」と称賛して寵愛していた。しかし、彼等のルックスは不鮮明な写真でしか見た事がないのだが、のっぺりとした公家顔で、そんなに美形だとは思わなかった。外見よりも中身に惚れていたのかもしれないが。人間とは、自分に無いものに憧れるものなのか。

 

今回の展覧会の一番の特徴は、展示品の大半が撮影可能な事。

 
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『和漢三才図絵』原本と、熊楠による抜書。


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本草網目』原本と抜書。

こういうのを頭に焼き付けて、原本を見ずに後から書き写したっていうんだけど、どういう記憶力をしていたんだろう?


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『ロンドン抜書』と『ロンドン戯画』。

もっとかぶりつきで撮れば良かった…。


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昭和天皇に進献した、キャラメル箱と同じ形のもの。この中に標本を入れたっていうんだから可笑しい。

 
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天皇陛下に御進講が決まった事は当時、新聞のスクープで取り上げられた。


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手紙魔だった熊楠。

熊楠の手紙には、書いた日付と時間が必ず記されている。今のメールと同じ要領。

 

南方熊楠は、以前は『知の巨人』とか、粘菌等、森羅万象の『研究者』とか言われて来たけれど、この企画展では、様々な資料を収集、蓄積して、それを提供する役割を担った人物として紹介している。

研究の質にはこだわらず、とにかく研究、収集量で他を圧倒していたのではないか。

物事を深く知るには、より多くの物を集めなければいけない。と、昨今のミニマリストに真っ向から喧嘩を売る様な事を熊楠は言っていたが、ネットが発達した今の社会に熊楠が存在したら、どんな風に情報を蓄積して活用するのだろう?熊楠展を見る度に、この事を考えるのだが、想像もつかない。

まあでも、ブログぐらいはやっているだろう。毎日毎日勢力的に更新し、“続きを読む”をクリックしたら、「うわ、なげーよ!読めねーよ!」と、毎日読者をビックリさせるぐらいの長文を書きまくっているのではないか。

なんて、こんな程度の想像しか出来ない自分が情けない…。

 

まだまだ熊楠について書きたい事があるのだけど、今回はこの辺にしておきます。

熊楠展は3/4迄開催中。また行こうかな。