没後50年 藤田嗣治展
先日、藤田嗣治展を見てきた。
お盆休み期間に見に行ったので、結構混んでるのかな?と思いきや、ほぼゆったり見れた。意外!
そういえば、所謂海外で名を馳せた日本人アーティストって、国内では渋い評価だったりする。オノ・ヨーコ然り。
フジタの場合は没後50年を経過し、画家研究も進んできたから、昔に比べればニュートラルな評価を得られていると思う。
自分は実は、藤田嗣治についてはあんまり関心を寄せて来なかった。多くの美術館の常設展示室だけでなく、特別展でもこの人の作品によく出会うからレア度も低いし…、なんて失礼な事を思っていた。
今回初めてフジタonlyの展覧会を見て、
「なんかこの人って布フェチじゃね!?」
と、ずっと頭の中でつぶやいていた。
東京国立近代美術館で何度も見ていた『アッツ島玉砕』が、何故あれ程までに胸に迫ってくるのかとずっと考えていたんだけど、服の描き方にリアリティがあるからなのかも。
藤田嗣治はこれらの戦争画を描いた事により、戦後国外追放の憂き目にあったのに、同じく戦争画を描いて戦意高揚を促した(とされる)横山大観がお咎めなしだったのは何故?
というのを比較すべく、今年は横山大観展も行くぞ!と意気込んでいたのに、気付いたら大観展は終わっていた…。
そうだ、藤田嗣治が外国人向けに日本を紹介する映画を撮っていた事も、今回初めて知った。ノスタルジックに、古き良き日本を強調していたようだった。
彼は手先が器用で、額縁も自分で作ってたというし、自分が着る服も手作りしてたらしいし、工芸作品も手がけていて、展覧会にも出品されていた。
絵画よりもこっち中心の回顧展を見てみたいなと思った。まあ、この願いは、パリ郊外にある、アトリエを改装した藤田嗣治記念館に行けば、殆ど叶えられそうなんだけどね。
いや、晩年の宗教画とか、今迄見た事もない作品が多数展示されていたので、見応えがありました。もっとこの人について色々知りたくなりました。
10/8(月・祝)迄。途中展示替えもあり。段々混んでくるかも。