『日本刀の華 備前刀』展
静嘉堂文庫美術館では、13日(土)から『日本刀の華 備前刀』展が始まっています。
展覧会初日に行われたブロガー内覧会に招待されたので、参加してきました。
ここ数年、刀剣乱舞人気によって日本刀が大注目で、あちこちの美術館・博物館で日本刀の展覧会が開催されています。
この前東京国立博物館の常設展示を見てきたのですが、ここでも日本刀や甲冑のコーナーには人がわんさか押し寄せていて、いやーホントに人気なんだ!と、実感した次第。
静嘉堂文庫美術館の方も、初日からお客さんが大勢詰めかけていました。
※画像は美術館から特別な許可を頂いて撮影したものです。
内覧会に先駆けて行われたトークショーに出席された御三方。
左からナビゲーターのTakさん。日本刀剣保存会幹事の吉川永一さん。静嘉堂文庫美術館学芸員の山田正樹さん。
自分は、日本刀に関しての知識は皆無に等しいので、このトークショーは、知識を得るのにとてもいい機会でした。
だいたい、『備前刀』って何?でしたもん。
日本刀の主な製作地は山城・大和・備前・相模・美濃の5ヶ所で、その中で最も優れた刀工を数多く生み出したのが備前と言われています。
静嘉堂文庫では数多くの日本刀を所蔵していますが、その中でも備前刀に的を絞り、精選した約30振を展示しているというのが本展の特徴。
ギャラリートークでは、学芸員の山田さんによる解説が行われました。
トークショーからずっと、模型の太刀を片時も離さずに解説する山田氏。
チャンスがあれば、この太刀で決めポーズを取ってもらって、写真に収めたかったんだけどなー。でもきっとこの方は、武術とかそっち方面からの日本刀への関心じゃなくて、あくまでもモノとしての日本刀を探求しているんだろうな。
これは元々鎌倉時代の太刀なんだけど、幕末頃小太刀としてリメイクされたらしい。
打刀拵は明治時代のもの。
このように、オリジナルから形を変えた刀はいくらでも存在している。
中には銘があったのに潰された太刀も、展示品の中にはあった。
何故今は無い銘がかつてあったと分かるのかというと、江戸時代に書かれた太刀のカタログみたいな書物に、これの刀拓があったから。との事。
とか、知ったかぶりで専門用語を書いているけど、今まで殆ど馴染みのない名称ばかりでした。むき出しの刃の事を『刀身』というのも今回初めて知りました。
これは展示物の中で最も刃長が長いもの。2尺9寸8分、90.3cmもある。
刃文の美しさも見もの。あんまり近づきすぎても見えないし、見る角度を変えるなどしないと、模様が浮かび上がってこない。
細かい細工の鐔も展示されている。
日本刀は美術品か工芸品か実用品か?
日本刀は、展示室内に飾られていると、ただの光った鉄棒が横一直線に並べられているようにしか見えない。
水垢のように刃にくっついている刃文は近付いていかないと見えないし。これは鑑賞というよりも観察という行為に近い。
ピントが合い、刃から模様が浮かび上がると、まるで顕微鏡で焦点が合った時に感じられる爽快感があって、面白い。
日本刀は、造られてから長い年月の間に、何度もメンテナンスされ、手を加えられ、どんどん変化していく。変化も価値の一つ。これはジュエリーとも通ずるものがある。
一方で静嘉堂文庫美術館には、生(うぶ)と呼ばれる、焼入れ後から一度も研磨されていない刀身も所蔵していて、今回は5振展示されている。
備前刀で、しかも生っていうのはかなりレアみたい。
と、日本刀の見所は本当に沢山あって、初心者の自分にはとても太刀打ち出来ない。なんて、つまらんオヤジギャグが思わず頭に浮かんでしまいましたが、美しい名刀が見られる貴重な機会なので、是非足を運んでみて下さい。会期中は幾つかイベントも開催される予定です。
本展では特別出品として曜変天目茶碗も公開されています。
名刀の数々が出品されている本展ですが、一番人だかりが出来ていたのはこのケースの周りだったかも。今回は自然光のもとで見られるのが魅力。
GW期間中は今年も美術館前の庭園で、『静嘉堂ガーデン』が開催されます。
クラフトビールやお酒に合うおつまみ。スイーツなどが新緑の中で味わえます。
詳しくは静嘉堂文庫のウェブサイトを御覧ください。
開催概要
- 会期:2018年4月13日(土)~6月2日(日)
- 休館日:月曜日(4月29日、5月6日は開館)、5月7日(火)
- 開館時間:午前10時~午後4時30分(入館は午後4時まで)
- 入館料:一般1,000円、大高生700円、中学生以下無料 ※20名様以上の団体は200円割引