この世はレースのようにやわらかい

音楽ネタから始まったのですが、最近は美術、はたまた手芸等、特に制限は設けず細々と続けています。

バレエ発表会、60周年記念公演を観賞してきた。

先日、以前ここに書いた、2年に1度の叔母さんのバレエ教室の発表会が、今年も無事開催されたので、見て来た。

 

almondeyed.hateblo.jp

 さらりと『60周年』と書いたけど、叔母さん一人で教室を立ち上げて、ずっと途切れる事なく続けて来たのだから、とてつもない偉業だ!

ただ、今回はさすがに御高齢による数々の困難に直面していて、無事に開催出来るんだろうかと、部外者である自分でさえハラハラしながら見守っていた。

それだけに、発表会のフィナーレで叔母さんが颯爽と、両脇を男性のダンサーにガッチリと抱きかかえられてだけど登場した時は、胸が熱くなってしまった。

と同時に、「もしかすると叔母さんがメインの発表会は今回が最後なのかも…」という一抹の不安も頭によぎった。

 

発表会の数か月前に、親戚一同が集まる機会があって、その時に叔母さんと少し喋った。

叔母さんの頭の中は既に発表会の事でいっぱいだったので、自然と会話はバレエの話になったのだが、話題は真っ先に、前回の発表会でいちばん光っていたあの小さな子の話になった。

今までも、将来性のありそうな生徒さんの話をする事はよくあったけど、それはあんまり熱心に発表会を鑑賞していなかった自分には響かない話でしかなかった。

でも、今回は自分も気にかけずにはいられない生徒さんの話だったので、思わず熱心に話を聞いていた。

そう、叔母さんの発表会は、ここ何回かは続けて見ているけど、本当に見ていてワーッと盛り上がるぐらい楽しめたのは前回が初めてだったのだ。

叔母さんに、「今までもああいう人を惹き付ける踊りをする生徒さんはいたの?」と問いかけたら、

「あんな子、初めてよ!」

と返されたので、驚いてしまった。

60年も教えていた中で初めてだって!?

その年月の重みにずしーんときた。そんなに、そんなに簡単に才能のある子には出会わないものなのだ。でも、自身のキャリアが終わりに近づいてきた時に、ふと現れた。

どうか、あの子が広く知られるぐらいに成長するまで、叔母さんに元気でいて欲しいと、心から願った。

 

今年のあの子はまだ相変わらずちっちゃかったけど、キッチリ2年分の成長を遂げていた。トウシューズで踊っていたし、自分より小さな子の手を引いてサポートするお姉さん振りを発揮していた。踊りは既に安定感すら漂わせている。

今回は、大きな演目の主役はなかったんだけど、ソロで踊る演目があったし、集団で踊る時も常に良いポジションを与えられていて、叔母さんがきめ細かく演出しているんだなという事がよく分かった。

 フィナーレでは名指しで声援も送られていた。ガッチリとファンの心を掴んでいるぞ!

いったい、これからどんなバレリーナになって行くのかな?