この世はレースのようにやわらかい

音楽ネタから始まったのですが、最近は美術、はたまた手芸等、特に制限は設けず細々と続けています。

―生誕100年記念展― 写真家・名取洋之助

@JCIIフォトサロン・クラブ25


写真の読みかた (岩波新書)
わりかし最近になってこの本に出会い、かなり面白かったので、展覧会があったら是非見たいと思っていたのでした。


名取洋之助(1910-1962)は、日本の報道写真家の草分け。1928年に留学のため渡独。その地ドイツで写真家としてのキャリアをスタートさせたという型破りな人。


今回の展示では、1930〜60年代にかけて撮影した欧米、アジア各国の風景、出来事等の写真を見る事が出来た。あと、写真が掲載された当時の雑誌のスクラップ、使用していたカメラも。


「写真の読みかた」の中で印象に残ったのは、晩年ロマネスク美術に傾倒していった時のメモだった。この時に撮られた写真は見た事がなかったので、今回見れたのは嬉しかった。名取氏に、ロマネスクの真髄に踏み込んだ写真を撮る時間が残されていなかったのは、非常に残念な事だった。


名取氏の最初の奥様の写真が展示されていて、これも初めて見たのだけど、当時の最新モードに身を包んだ姿が、とても知的で美しかった。こんな人と20歳そこそこで結婚しちゃうんだから凄いよなぁ〜。