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この世はレースのようにやわらかい

音楽ネタから始まったのですが、最近は美術、はたまた手芸等、特に制限は設けず細々と続けています。

長沢節展

池袋のEchika池袋ギャラリーで、長沢節展が開催されているというので行って来ました。29日迄だそうです。おっと、危うく見逃す所だった。


ここは、ギャラリーとは言っても、Echikaの一角の壁面を解放しているだけなので、作品数は少ないです。でも、恐らく一般には初公開であろう珍資料が飾られていて、なかなか面白かった!


ここでは、池袋にゆかりのある人達の作品を中心に紹介しているようです。
長沢節は、かつて「池袋モンパルナス」と呼ばれた界隈に住んでいたので、今回展示される運びとなったのでしょう。


セツ先生*1が池袋モンパルナスに住んでいた頃、空襲警報の下でダンスパーティーを開いていたというのは有名なエピソード。見つかったらただじゃ済まされなかっただろうに。でも、占領下のパリに現れたザズー達が、アメリカのジャズに合わせて踊っていたのと同調するように、セツ先生もこんなご時世だから、かえって踊らずにはいられなかったのだろう。筋金入りの軟派。


セツ先生は、大原でのスケッチ旅行の最中に、自転車から落ちて頭を強打し、そのまま亡くなったのだそうだ。確かに、大原で自転車をヨロヨロ漕いでる姿は、誰が見たって危なっかしいものだった。まさかあれって死ぬための予行演習だったとか?いやいや、本人は至って楽しそうに乗っていましたよ。


戦後生まれの洒落者達は自殺という、背後に「鬱」の影を濃厚に漂わせる死に方で呆気なく死んでいくが、セツ先生は、鬱からは1番遠い所にいたと思う。久々にその力強い線のデッサンを見て、生きる方の力を受け取った気がする。肉体は滅んでしまったけど、セツ先生の力はずっと生き続けているようだ。

*1:いちおうセツに通ってたので、この先はこの呼び名に統一。