この世はレースのようにやわらかい

音楽ネタから始まったのですが、最近は美術、はたまた手芸等、特に制限は設けず細々と続けています。

一蝶リターンズ 元禄風流子 英一蝶の画業

@板橋区立美術館

今年は英一蝶が三宅島へ流罪ののち御赦免になってからちょうど300年目にあたるそうで。それにちなんで開催されたというのがなんか洒落ている。
西の尾形光琳、東の英一蝶と並び称されているようですが、江戸時代の絵画にまだいまいち疎いので、この人の事はよく知りませんでした。狩野派の絵師だったようですが、破門。しかしその卓越した技術により、大抵の狩野派の系譜に、彼の名前を確かめる事が出来ます。
島流しにあった絵師というアウトロー的な経歴に惹かれちゃったわけなんですが、画風の方は思わずくすっと笑っちゃうような、ユーモアに溢れたものでした。風俗画を得意とし、人物に向ける眼差しはとてもあたたかい。ちょっと連載初期のサザエさんの、あの太い線の頃の画風を想起させるものがありました。長谷川町子のルーツはこの人なのかな?