この世はレースのようにやわらかい

音楽ネタから始まったのですが、最近は美術、はたまた手芸等、特に制限は設けず細々と続けています。

モリシーの手紙 (その2)

二通目です。

親愛なるロブ


手紙どうもありがとう(遂に、だね。) 僕は君を怯えさせてしまったのかと思った。だけど明らかに君は自虐的な人だよ。僕はここにあるスケッチにびっくりさせられたね。そして、僕がこれを見せた人たちはみんな、素晴らしいスケッチだと認めた。また、これを見せた人はみんな、素晴らしくよく似ていると認めた。何で君の才能を隠したままにしておくの?僕は天才に手紙を書いていたなんて思いもしなかったよ。


君の訪問は悲惨なものに終わったけど、それは君自身のせいだと思う。僕は君と会って楽しかったと言えるよ。だけど、時々、君の心はここにあらずといった風に僕は見えた。それから、居心地が悪いんじゃないかという風にもかなり見えた。だから、君も楽しかったはず、なんて強要は決してしてないんだよ。ね? 僕のような者を受け入れる事は、すなわち、完璧に許し難い事なんだ。


そう、憐れなルーダスは、聴くのにかなりの苦痛を強いられる。それにも関わらず、彼らは極上の音楽を生み出す。この世は残酷だ。僕はニコのアルバムも待っている。そして、彼女はたくさんのライヴを行なっている。すごく嬉しいよ。


君にはモノクローム・セットの45sを集めることを奨励するよ。君が改めるべきなんだよね!今回の場合は君が混乱してるんだよ。ここにディスコグラフィを書いておくから。


1979
45 - ALPHAVILLE/He's Frank
45 - EINE SYMPHONIES/Lester Leaps In
45 - MONOCHROME SET/Mr. Bizarro


1980
LP - 'The Strange Boutique'
45 - Strange Boutique/Surfing Swiz
45 - 405 LINES/Goodbye Joe
LP - 'Love Zombies'
45 - APOCALYPSO/Fiasco Bongo


アルバムを買う予定はある?もし決まってないなら、僕は喜んで君にテープを用意するよ。特に「Lester Leaps In」が最高だ。僕は先週ビドから手紙を貰ったんだよ。彼の手紙は本当に奇妙なんだ。まるで中世の人みたいだ。


ヘイゼル・オコーナーなんて全然聴いたことないよ。お願いだからそんなバカげた質問で僕を侮辱しないで欲しいよ。もし君があんな(下劣な?)ものを聴いていたならば、君の不健全さは罰せられてしかるべきだ。


僕はいつも君がデュラン・デュランのファンじゃないかと疑っているんだ。君は、トラブルを起こすようなことを尋ねるよね。


君がすべての友人を失った話を聞いてしまって申し訳ない。僕はライト・ガードをお勧めしとくよ…


僕と一緒にいると、今までみたくバカみたいに思うよね。僕は何もしないようにするのに必死なんだ。君に言えることはなんだろう?人生は続くってことか。


「ファンハウス」は見たかい?あれはお気に入りの映画だ。だけど「炎のランナー」、あれはいただけない。クソつまんなくて死にたくなる。僕はフォールとサンディ・ショウを聴いている。サンディ・ショウのレコードを何か買ったことはある?

今は、マガジンの死を悼んでいるところだ。すごく悲しい。僕の人生を変えるような出来事だ。彼らの「About The Weather」を聴いたことがある?これはすぐに買いに行くべきだよ。


シェイクスピアは読んだ?僕は読んでないのを望むよ。僕はいつも彼のことを嫌っていた。僕のために、君の本で愚にもつかないやつを選んでよね。


先週4日間ロンドンに行ってきた。すごく楽しかった。君は何か楽しい事があった?今度教えてよ。


君は踊ることをすっぱりやめるべきだよ。君のためになってないよ。ともかく、これで書きたいことはすべて、かな?


黒は僕のいちばん好きな色!


Love と Prostitution を込めて


スティーヴン


この手紙を真面目に読んでみたくなった理由は、最近モノクローム・セットの1stと2ndアルバムが、はじめて単独のCDで再発されたから、というのもあります。
今までは2in1の形でしか発表されなかったから、喜ばしいことです。今はCDの時代ですらないのでね。
ビドさんも確か来日時のインタヴューで、モリシーから手紙を貰ったことがあるって言ってたよな。
2人の間では、手紙でどんなやり取りをしてたんだろう?


ストレンジ・ブティック

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ラヴ・ゾンビーズ

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