この世はレースのようにやわらかい

音楽ネタから始まったのですが、最近は美術、はたまた手芸等、特に制限は設けず細々と続けています。

三菱創業150周年記念 三菱の至宝展

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三菱一号館美術館では現在、『三菱の至宝展』が開催中です。

梅雨の真っ只中、ブロガー内覧会に足を運んで参りました。

 

※展示室内の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。通常は一部を除き撮影不可です。

 

三菱を創業した岩崎家4代が、各々収集したお宝が集結した、貴重な展覧会。

この展覧会では、三菱の社長を務めた岩崎彌太郎、彌之助、久彌、小彌太が、日本の芸術文化研究、発展のために集めた、錚々たるコレクションが一気に見られます。

あの、至宝中の至宝である《曜変天目》『毛詩』を筆頭に、国宝計12点が見られる機会など、滅多にないです。

普段は静嘉堂文庫美術館東洋文庫にあるコレクションが、まとめて見られるのも魅力です。

本来なら去年開催される予定だったのですが、コロナ禍によって1年延期されました。

しかし、準備期間が一年増えた分、よりパワーアップした展示になっているようです。


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展示室に入ると、先ずは4代の肖像に出迎えられます。

この山高帽は、岩崎久彌愛用のものだそうです。

 

静嘉堂よりも展示映えしている!?

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正直に書きますが、橋本雅邦の『龍虎図屏風』は、静嘉堂文庫美術館で見た時よりも、ここで見た方がよりインパクトがありました。照明のせいなのでしょうか?まるで描かれたばかりのようなみずみずしさが感じられたのには、ただただビックリ!

 

大型の展示品が印象的。

岩崎家の雛人形もそうでしたが、こちらの一族はやたら大きな品物も蒐集していたようです。


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『おかめの面』

こちらは通常も撮影可能のようです。

三菱の店頭に飾られていたとか。

でかいんですよこれが。

最初見た時、チコちゃんか!?と思いましたね。


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書物関係も、大判サイズが勢揃い。


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こちらの大皿は、直径60cmもあります。


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こちらは江戸時代の古地図。まあ、畳めば小さくなりますがね。

曜変天目祭り!

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展示室内は厳重な警備の元で公開されています。


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こちらは撮影スポットにあるお楽しみ企画。

ここに向ってフラッシュ撮影すると、天目が写るはずです。展覧会に足を運んで、実際に体験してみましょう。


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クッションカバーにTシャツ。やってんなぁ〜w 色はご丁寧に抹茶色。

隣接のCafeでは曜変天目のタイアップデザートも用意されています。

 

岩崎久彌のコレクションが凄い。

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このチベット関連のコレクションが展示されている空間が、本展覧会では一番印象に残りました。

もっとこの世界を深く知りたくなった、という動機づけになるような説得力。

東洋文庫ミュージアムには、静嘉堂文庫美術館とはまた違った、ものすごいお宝があるのだなと、改めて思いました。

 

静嘉堂文庫のお宝の中には、再会出来て嬉しかった名品が、幾つもありました。

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この磁州窯の枕など特に。

光の当たり具合のせいなのでしょうか。以前見た時よりも掻き落しの凸凹が、より見えやすくなっていました。

 

…と、まとまりのない紹介になっていますが、これもコレクションの範囲が日本、中国、朝鮮、中東、西洋にバラけていて、年代も7世紀〜20世紀迄と幅広いし、内容も陶器、掛軸、名刀、仏像、油彩、日本画等、多岐にわたっているので、仕方のない事なのかもしれません。

でも、だからこそ、あっと驚くお宝に巡り会えたりもするのです。

このコロナ禍で、なかなか遠くにあるお宝がやってこない状況ですが、足下にもこんな名品があるという事が、この展覧会を体験する事で発見出来るのではと思います。

 

開催概要