流しの洋裁人さんと、siboのスカート。
ちょっと時間が空いてしまったが、この前の話の続き。
池袋リビングループに行った一番の目的は、『流しの洋裁人』さんのブースを見る事だった。
お店を覗き、店主さんと目が合うと、
「あ、去年もいらしてくれましたよね?」
という反応が。
そう。実は去年の池袋リビングループにも出店していて、そこで初めてお会いしたのだった。
まさか自分の事を覚えてくれているとは思わなかったので、びっくりした。
去年、ネットで洋裁関連事項を検索していた時に、『流しの洋裁人』こと、原田陽子さんの存在を知った。
彼女は2014年から、洋裁道具一式を抱えて、全国各地のイベント会場等で、洋裁の実演を見せる活動を行っている。
その中には、その土地その土地で生産された生地を使って服作りをする、生地マルシェのような活動も含まれている。
そして、各地で出会うお客さんからオーダーを取り、洋服をその場で仕立てたり、お直しもするという。
正直、女手一つでミシン2台と裁縫箱とアイロンとアイロン台を運ぶというのは、かなりハードだと思う。
自分は普段洋裁を習っているのだが、毎回教室に道具一式を持って行くだけでも、結構な重労働だ。
いや、わたしの場合、ミシンは運びませんよ。念のため。でも流しの洋裁人の原田さんは、ミシンも運ぶのだ。
洋裁は場所を固定して行う。という固定概念を覆した原田さんの活動に、自分は衝撃を受けたのであった。
この日は、以前ここで買った服を着てきた方がいらしてて、その服の色がだんだん褪せてきたからどうしたらいいかと、相談を持ちかけていた。
そうしたら原田さんは、こちらで染め直しも出来ますよと、提案していた。
ああ、服ってこうやってメンテナンスすれば長く着られるし、お客さんとも関係が続けられる、優れたコミュニケーションツールなんだなと思った。
今回最も見てみたかったのが、この絞り加工を施した不思議なスカート。
これは『sibo』という名前の特殊な生地で、最初は平面の生地なのだが、お湯で洗って高温で乾燥させると、縮んで立体的になる。
これが最初の状態。
両脇を直線縫いして、洗濯乾燥させると…
こうなる。
フォルチュニのデルフォスって、きっとこういう工程で作られたんだろうな。と、ピンときたので、こうして試してみる事にしたのだった。
自分で加工して服を作るって、新鮮で面白い!
湯通しや乾燥機のかけ方によって、仕上がりは一つ一つ異なる筈。
ウエスト部分はかなり縮む様に作られているが、それでもかなりゆったり目なので、ゴムを入れた。直線縫い以外は縫希星でガシガシ縫った。
実はもの作り全般に言える事なんだけど、洋裁も体力勝負な世界だと思う。
このスカートを作った時は、わざわざコインランドリーに行ったりしたし。他にも洗濯物をいっぱい抱えて行ったから、結構重労働だった。
自分が今通っている洋裁教室に来る生徒さん達、勿論先生自身もとてもパワフルだったりする。
現在Eテレで放送している『ソーイング・ビー』だって洋裁でバトルしちゃってるし、流しの洋裁人の原田さんも、エネルギーの塊のような方だった。
洋裁って体育会系だったのか。
流しの洋裁人さんの、名刺代わりともいえるステキなリーフレットも頂いた。
アウトドア洋裁。これから広まるかも!?