この世はレースのようにやわらかい

音楽ネタから始まったのですが、最近は美術、はたまた手芸等、特に制限は設けず細々と続けています。

みんなのレオ・レオーニ展


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『みんなのレオ・レオーニ展』公式サイト:朝日新聞デジタル

『みんなのレオ・レオーニ』と、『みんなのミュシャ』って、タイトル被ってるな。

 

それはさておき、レオ・レオーニ(1910-1999)は、オランダ生まれのユダヤ人。と、ここまではあのメスキータと一緒だったりする。しかし、メスキータとは違い、彼は第二次世界大戦中はイタリアに住んでいた。そこから1939年に、アメリカへ亡命を果たす。その後アメリカでイラストレーター、グラフィックデザイナーとして活躍した。

この時代の作品も展示されていたが、戦後のアメリカ黄金時代を象徴するようなエネルギーと明るさが表現されていた。

絵本作家としてデヴューしたのは1959年。孫に読み聞かせる絵本、『あおくんときいろちゃん』を制作したのがきっかけだった。

 

展示の最後の方で、レオーニの弟子だった方が、『モノタイプ』と呼ばれるガラス板やアクリル板に絵の具を塗って、それを紙に押し付けて写し取るという技法を映像で紹介していた。あれ、面白そうで自分でもやってみたくなった。

自分の手グセから一旦離れて描く。それは物事を俯瞰的に捉える事にも繋がる。彼のインタヴュー映像を見ていたら、『多様性』という言葉が何度も出てきた。ユダヤ人という自身の出目。どこにいても常に『余所者』という感覚がついて回る。でも、そんな人達同士が共存する事で、新たな価値観が生まれる。彼の作品からはそんなメッセージを強く感じた。

自分とは違う価値観の人達と円滑にコミュニケーションを取るには、ちょっと違う場所に自分の身を置いてみる。インタヴューの中で彼は「地下が好き」だと言っていた。

 

実は絵本とかは読んでなかったので、そんなに親しみは持っていなかったのだけど、ワクワクと楽しく見る事が出来た。