この世はレースのようにやわらかい

音楽ネタから始まったのですが、最近は美術、はたまた手芸等、特に制限は設けず細々と続けています。

有田の魅力展2018

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www.arita.jp

池袋東武百貨店では21日から『有田の魅力展2018』が始まりました。

東武では2年前にも有田焼400年を記念して、有田の魅力展を開催しました。今回はその続編といった趣か。

前回は、有田焼400年の歴史を辿る展示に力を入れていたけど、今回は現代の名工達の作品や、商業用の実用食器等、現代の有田焼にスポットライトを当てた催事になっています。

 

開催初日に行われたブロガーイベントに招待されたので、その時に伺った有田焼の魅力と歴史を紹介します。

 

※画像は関係者の許可を得て撮影したものです。

 

最初に、創業329年を誇る、有田焼の香蘭社社長、深川祐次氏が、有田焼の起源からその発展に至る過程を説明してくれました。

 
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今年は明治維新150周年なので、幕末〜明治期に活躍した、有田の偉人達もピックアップされている。

 

お話を伺っていてビックリしたのが、電柱に使われている絶縁器具の碍子は、香蘭社が最初に作ったという事。

ああ、そういえば以前TVで、工場での製造工程を見た事があったな。あれ、有田焼だったんだ!

戦時中の物資が乏しい時代には、本来鉄で作られていたものを焼物で代用しようと、あらゆるものを有田焼で生産していたそうだ。

 

 今回も登場。『有田焼テーブルコーディネート』
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今回もフードコーディネーターの遠藤文香さんが、有田焼の器を使ったセッティングの数々を披露してくれました。


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所謂インスタ映えする盛り付けの数々。

日常使いとしての提案だったけど、こうして見ると、漬物置きのコーディネート以外は、ハレの日向けかなぁと思った。

 

前回開催時は、遠藤さんがセレクトした器をそのままお買い上げしたお客様もいらしたそうです。

これって、花束を買う時も、自分で花を組み合わせるのが面倒だから、出来上がったブーケを選んじゃうのと同じ感覚か。

もっと自分の感覚で好きに選べばいいんじゃないの?と、逆に自分なんかはこのコーディネートを見てそう思ったんだけどね。

 

 昔も今も輸出向け

会場には数多くの窯元が出店している。

 
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こちらは李荘窯のコーナー。

この白磁のお皿は、薄くてマットな質感が特徴。あえてつや消しにしているのは、盛り付ける料理の色を栄えさせる為だそうだ。

フランスなどヨーロッパの人達は、料理を視覚的に楽しむ事を重視しているので、彼らの為に生産したものなのだそうだ。このお皿は、いわば何も描かれていないキャンバスのようなものか。

 

有田焼は、料理を盛り付けるお皿だけでなく、料理を作る鍋も作られている。


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こちらはHACHIの、食器を兼ねた鍋。ニューヨークで今年の4月に売り出されたばかり。日本ではこの催事が初お目見え。

ちょっとル・クルーゼっぽいんだけど、案外軽いのだ。

よく見ると、一つ一つの仕上がりが微妙に異なっている。釜の焼く位置によって火加減が変わって、思わぬ模様が生まれたり、色の濃さも違ってくる。一つとして同じものは無いのだ。

何よりもこの形がいい。モダンだ。


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アメリカの家庭では、大サイズの鍋で調理するのが主流。これに材料を入れてオーブンにかける使い方がされているようだ。なのでこちらは日本向けのサイズより二回りぐらい大きく作られている。

直火対応で、電子レンジも使える。IHは不可。冷蔵冷凍可能。とにかく、遠赤外線効果で、料理が美味しく仕上がるらしい。

 

有田焼は東インド会社によって、明治以前から広く外国に輸出されていた。現在も引き続き、海外に目を向けたもの作りをしているのだなという事が、今回出店している窯元のスタッフさんのお話からも伺えて、とても面白かった。

 

会場では今回初の試みとして、有田焼の器に盛ったカレーが食べられるイートインコーナーが設置されたりと、結構内容盛り沢山なので、ここでは紹介しきれないのですが、とにかく、普段なかなか目に触れるチャンスのない有田の名品が一堂に会しているので、この週末に足を運ばれてみては如何でしょう。会期が短いのでお見逃しなく!

 

  • 【期間】平成30年6月21日(木)~6月26日(火)
  • 【営業時間】10:00~20:00 ※最終日は17:00まで
  • 【場所・問合せ】東武百貨店 池袋店 8F催事場(2・3番地)  

     (東京都豊島区西池袋1-1-25) TEL:03-3981-2211