この世はレースのようにやわらかい

音楽ネタから始まったのですが、最近は美術、はたまた手芸等、特に制限は設けず細々と続けています。

極付印度伝 『マハーバーラタ戦記」



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インド叙事詩「マハーバーラタ」とは | 歌舞伎座「芸術祭十月大歌舞伎」極付印度伝 マハーバーラタ戦記

歌舞伎で『マハーバーラタ』。何でまたマハーバーラタ!?こりゃ行くしかないでしょう!という衝動に駆られて観てきた。

歌舞伎座に足を運んだのは、『恐怖時代』以来だから3年振り。え~、もうそんなに経つのか!

 あれは谷崎潤一郎が脚本を書いた、所謂創作劇で、当時50年ぶりの再演だったと記憶しているが、今回のマハーバーラタは正真正銘の新作で本邦初公演。インドを舞台にした演目は、歌舞伎の歴史が始まって以来初めて!

 

和印折衷?

 インドが舞台なので、冒頭に出て来る川は勿論ガンジス河。しかし、太陽神の子供カルナを身ごもったクンティの出で立ちは純和風。そんな姿で、ガンジス河に生まれたばかりの我が子を流すシーンはかなりシュール。

カルナの耳には黄金色の耳輪が光る。ピアスをした歌舞伎のヒーローなんて今迄居たっけ?

ガンジス河の背景の絵柄は何だか中村宏の絵を思い出させるし、音楽はスティールパンやら木琴やら鉄琴(グロッケンシュピール!)やらの打楽器が鳴り響き、やけにビートがきいていて心地良い。

今回は音楽が凄く良かった。生演奏だもん。

殺陣シーンでは歌舞伎本来の決めポーズがキレッキレで、もう笑っちゃうぐらいにカッコいい!

考えてみれば、インド映画だって決めポーズが満載だもんね。そうか、印度と歌舞伎は親和性が高かったんだ。

 

午前11時から始まって、終わったのは4時近かったけど、全然長く感じなかった。

舞台セットは古今東西のあらゆる様式が入り混じっていて、もう何でもありなんだなと。ここは歌舞伎の伝統芸を楯に、力技でねじ伏せたような印象。

そういえばサラッと、『マントラ』なんていうセリフも出て来てたな。

佐藤史生がもしこれを見ていたら、どんな感想を寄せていただろう?聞いてみたかったな。

いやー面白かった。見れて良かった!