この世はレースのようにやわらかい

音楽ネタから始まったのですが、最近は美術、はたまた手芸等、特に制限は設けず細々と続けています。

Morrissey 9/29 @Bunkamuraオーチャードホール

2日目はさすがに警備が厳しかった。係員の数は倍増。しかも、この日の自分の席は通路のすぐ隣だったから、ライヴ中は横で警備員がずっとウロウロしていて、目障りだった。

しかし、自分は前日かぶりつきで見る事が出来たので、この日は歌を聴く事に専念しようと腹をくくった。

 

モリシーは、昨日とは打って変わって、前にいる観客が少ないから不機嫌になるんじゃないかと不安だったのだが、全然そんな事はなかった。寧ろ、歌のプロフェッショナルに徹して、堂々と歌い上げていた。スマン、もうこんな事に動じる次元の人ではなかったのね。

 

モリシーの歌声は、4年前に生で聴いた時よりも、更によく伸びて、艶やかになっていた。会場の音響が良いせいなのか、自分の心の中にグサグサ入り込んでくる。「Jack the Ripper」辺りから涙腺がバカになってきて、泣けてきた。

セットリストが前日とは大幅に変わっていて、正直ちゃんと聴いた事のない曲が歌われるんだけど、そんな曲でもお構いなしにガンガン入って来る。

もう、スミス曲とモリシー曲の区別なんてどうでも良くなっていた。

この日、自分の中で妙に印象に残った曲は「All the Lazy Dykes」だった。これ、「You are the Quarry」に入っているんだけど、ライヴで聴いている間中、聞き覚えあるのにどこで聴いたか思い出せない状態から抜け出せなくて、悔しい思いをしたから。もうダメだ~w

 

何と、この日は「Meat Is Murder」を歌わなかった。あの映像にクレームが入ったのだろうか?

そんな事もあってか、この日はレアトラックス・ライヴみたいな趣で、オーチャードは2日で1セットのライヴだったんじゃないかと思えたぐらい、1日目とは印象が違っていた。カヴァー曲で終わった事なんて、自分が今まで見てきたライヴの中では1度も無かった。

今回は、とにかく歌い手としてのモリシーに圧倒されっ放しだった。こんなに凄い歌い手のライヴがソールドアウトにならないなんて、何かが間違っている!

 

2日目のライヴでは、1日目にも見かけたお客さんが何人も来ていた。この中で初来日のライヴを見ている人はどのぐらいいたんだろう?もしかしたら遥か昔のスミスナイトで一緒に盛り上がっていた人もいたかもしれない。なんか、言葉は交わさなかったけど、奇妙な懐かしさというか、親しみを感じた。この感覚はモリシーのライヴならではのものだ。モリシーがスミスで活躍していた当時にあった、ナイーヴな透明感ともいえる人間の感覚が研ぎ澄まされていた時代。言葉にするのは難しいのだが。あの感覚を共有している人達がこの日は集合していた筈。

 

ライヴが終わった後は、次の横浜では今回みたいな警備がないんだから羨ましい!また見たいのにチケット取れなくて悔しい!なんて思いながら家路についたのだが、翌朝キャンセルした事を知ってビックリ!やっぱりモリシーはモリシーだった…。

Setlist
  1. Let Me Kiss You
  2. Everyday Is Like Sunday 
  3. Irish Blood, English Heart  
  4. Istanbul
  5. Jack the Ripper
  6. Kiss Me a Lot 
  7. Kick the Bride Down the Aisle
  8. First of the Gang to Die 
  9. World Peace Is None of Your Business
  10. I'm Throwing My Arms Around Paris
  11. All the Lazy Dykes
  12. It's Hard to Walk Tall When You're Small
  13. Speedway
  14. How Soon Is Now?
  15. Oboe Concerto
  16. How Can Anybody Possibly Know How I Feel?
  17. The Bullfighter Dies
  18. Ouija Board, Ouija Board

Enc.

  1. Judy Is a Punk