この世はレースのようにやわらかい

音楽ネタから始まったのですが、最近は美術、はたまた手芸等、特に制限は設けず細々と続けています。

富永太郎の『子供のお父さん』

※これは以前のエントリーを書き直したものです。元の記事がちょっとした理由で消えてしまったので。
アプリのバグが原因だと思うのですが、よりによってこの記事が引っかかっちゃうとは…。
と、ガックリきたので、なかなか書き直せなかったのです。


ここで書いた昔の友人の話です。


80年代の終わり頃、わたしは渋谷区立松涛美術館で開催された富永太郎展を観に行った。
作品数は多くなかったが、強い印象を残したので図録を買い、後日この友達の家に遊びに行った時、この図録を持参し見せたのだった。
彼女はこの、富永太郎が小学生の頃に描いた絵を見て、こんな事をつぶやいた。


http://instagram.com/p/TttbO7EPqh/
子供のお父さん

ポチや
今年は
お前のとしで
おめでたう
坊も一つとしを
取ってお父さに
なつたよ


「こういう事を書く人って長生きしないんだよね。」


これを聞いた時は、さすがにドキッとした。
でもわたしは、彼女は富永太郎が24歳で夭折した事を知っているという前提から、こういう分析を下したのだろうと解釈し、これについてはそれ以上深く追求しなかった。
当時は、まさか彼女も富永太郎とそう変わらない年齢でこの世を去るなんて、思ってもいなかったわけだし。
彼女も、子供の頃からこんな風に、大人の視点に立って世の中を見ることが出来ていたのだろうか?
きっと、そうなんだろうな。


思い出話はもうちょっと続けるかもしれません。
今回はこのへんでおしまいにします。