この世はレースのようにやわらかい

音楽ネタから始まったのですが、最近は美術、はたまた手芸等、特に制限は設けず細々と続けています。

KRAFTWERK 『3-D CONCERTS 1 2 3 4 5 6 7 8』

今回の東京公演は、クラフトワークのアルバム8枚を、リリース順に日替わりで演奏するというスタイル。
音だけでなく、3D映像でも魅せるというものである。
彼らが初めてライヴで3Dを起用したのは2009年だったそうで。今回それがようやく日本でも披露されたという事なのか。


事前の情報はこんな感じだったので、はて、一体どの日がいちばん自分にとってはいいんだろう?と、迷っているうちに、土曜日の『人間解体』だけは早々とソールドアウトしてしまった。
なので、これだけは観たいと思った『アウトバーン』と、あと、金曜日だしという事で『ヨーロッパ特急』の日を選んでみた。


5/08(wed) @赤坂ブリッツ

DAY 1 『アウトバーン/Autobahn』

  1. AUTOBAHN
  2. KOMETENMELODIE 1
  3. KOMETENMELODIE 2
  4. MITTERNACHT
  5. MORGENSPAZIERGAN
  6. RADIO-ACTIVITY
  7. TRANS-EUROPE EXPRESS
  8. THE ROBOTS
  9. SPACELAB
  10. THE MODEL
  11. NEON LIGHTS
  12. THE MAN MACHINE
  13. NUMBERS
  14. COMPUTER WORLD
  15. HOME COMPUTER
  16. DENTAKU
  17. COMPUTER LOVE
  18. TOUR DE FRANCE 1983 + INTRO
  19. TOUR DE FRANCE 2003
  20. PLANET OF VISIONS
  21. BOING BOOM TSCHAK
  22. MUSIQUE NON STOP


5/10(fri) @赤坂ブリッツ

DAY 3 『ヨーロッパ特急/Trans-Europe Express』

  1. TRANS-EUROPE EXPRESS
  2. FRANZ SCHUBERT
  3. EUROPE ENDLESS
  4. HALL OF MIRRORS
  5. SHOWROOM DUMMIES
  6. AUTOBAHN
  7. RADIOACTIVITY
  8. THE ROBOTS
  9. SPACELAB
  10. THE MODEL
  11. THE MAN MACHINE
  12. NUMBERS
  13. COMPUTER WORLD
  14. HOME COMPUTER
  15. DENTAKU
  16. COMPUTER LOVE
  17. TOUR DE FRANCE 1983 + INTRO
  18. TOUR DE FRANCE 2003
  19. PLANET OF VISIONS
  20. BOING BOOM TSCHAK
  21. MUSIQUE NON STOP


2日分の感想をまとめて書きます。
1日目は1Fで鑑賞。ずっと首を上にしないと映像が見えなかったので、首が疲れました。
向かって右側前方で観ていたせいか、映像の立体感が一部反転して、窪んだ状態で見えた部分もあった。
それは、2回目の時にあえて2F立見、3Dプロジェクターの真後ろというガッツリ真ん中の位置で見たから分かったのだ。
一番顕著だったのは、『電卓』のボタン部分だった。見上げるようにして見てた時はボタンが凹んでて、ちょっと滑稽だった。


初日のアウトバーンは、リリース順通りの演奏だったからか、ダンスビートの発展過程を時系列で体感出来たような印象だった。
曲を追う毎にどんどんビートが洗練されていくのが面白かった。
でもこれ、ライヴ後半に演奏される曲を前半に持って来ざるを得ない日になると、時系列の流れが変わっちゃうのね。
それはそれで観てみたかったかも…。


それと同時に、移動手段やテクノロジーが発展していくさま、あるいはそれらが原点回帰していく感覚を、音と映像で追体験していくような、そんなドラマ性すら感じられた。
音も、真ん中ら辺にいると、上下左右、手前から奥にかけて空間移動していくのが分かった。
“Autobahn”の映像なんて、長年音からイメージしていた車の動きとかなり重なっていて、うわ~~っ!となった。
最後の“musique non stop”がリフレインされる所でピタッと静止画像になり、一気に現実へと引き戻される。
その演出もにくい。
ラヴ・ストーリー以外の…いや“computer love”という曲はありますが、そこから外れた世界に終始圧倒されっぱなしだった。
はるか昔の西独時代に抱いていた、重くて硬くてどんよりとして謎めいていそうな、そんなイメージすら思い出させた。
クラフトワークのライヴを初めて見たのは去年のNo Nukesでなんだけど、あの時よりも今回のライヴの方が数段凄かった。
もし、クラフトワークを初めて聴いた中学の時の自分が、今このステージを観ていたら、とんでもない事になっていたんじゃないかな~と、ライヴを観ながらそんな事をつらつら考えていた。どんな風にとんでもない事になるかは想像つかなかったけど。


“Hall of Mirrors”をライヴで聴いたのはSpectrumの方が先だったんだけど、あれはアンティーク楽器で当時の音を忠実に再現していた。
今回ようやっと本家のヴァージョンを聴くことが出来たのだが、機械自体がヴァージョンアップしてるから、音もそれなりだったような…。ていうか、この時の立体五線譜映像が素晴らしくて、映像ばっか観てました(笑)


2回観ただけじゃ見足りなかったです。いや、2回も観れたんだから贅沢だと思うようにします。
まとまりのつかない感想だけど、そのままUP。