The Jazz Butcher & Stuart Moxham 12/1(sat)
スチュアート・モクサムは初来日。ジャズ・ブッチャーは2000年の初来日以来2度目。初来日の時はディスロケーション・ダンスとのジョイントだったそうで。
当時チラシ貰ってたのに行かなかったんだよな~。なので今回が初ライヴ。
最初に登場したのはスチュアート・モクサム。
伝説のヤング・マーブル・ジャイアンツのリーダーを初めて拝んだ事になるのだが、こちらのそんな一方的思い入れを打ち破る、あまりにもフツーのおっさんだった。(失礼!)
アコースティックギター一本で、緩やかな感じに弾き語る。まるで英国の地方都市にある小さなパブに立ち寄ったらこんな演奏に出くわした。そんな印象。
「これは新曲。今夜初めて歌うよ。最初で最後かもしれないけど(笑)」
なんて言ったりするし。おいおい…。
さり気なくヤング・マーブル・ジャイアンツの曲も織り交ぜる。さすがに観客からの喝采が巻き起こる。
…すいません。ちゃんと演奏を聴くつもりだったのに、飲めないアルコールを注入したせいで酔いが回り、途中から座り込んで聴く羽目になってしまった。なのでスチュアート・モクサムのライヴレポートはここまで。(ヲイ!)
短かいインターバルを経て、パット・フィッシュとマックス・エイダの2人が、ビシッとしたスーツ姿で登場。
メンバーの姿をちゃんと見たのは初めて。マックスのすらっとした体型に驚愕。パットは白髪の紳士。2人共佇まいが無茶苦茶渋くてシビれた。
パットはアコースティックギター、マックスはエレキギターを担当。ステージにドラムセットがなかったので、やっぱりアコースティック形式になるのか。すごくいい感じのライヴになりそうという期待感なのか、少々心の中に緊張が走る。(この頃にはこちらの体調も回復。)
ライヴは、パットの「コンバンワ~」と囁くような挨拶で始まった。この、「我々のプライヴェートなパーティーにようこそ。」とでも言うようなノリに、のっけからすっかりやられてしまう。そっか、ジャズ・ブッチャーってこんな洒落っ気たっぷりの粋なバンドだったんだ!と、今頃になって認知している大馬鹿者のわたしです。途中でフランス語の歌も歌ってたな。
前回の来日時に約束したのか、「日本語を勉強してきました~」なんて事を言いながら、セットリストを見ながら曲名を日本語で紹介。
「オオキナ・ドヨウビ」「シンシノ・ボウケン」「ワタシノ・ベツノ・セイカツ」などなど…
“私の別の生活”って、マックスみたいな人が言うとなんか意味深に受け取れてしまって苦笑い。
パットとマックスの演奏位置が微妙に開いていて、それが絶妙な緊張感を醸しだしていた。
一回は離れても、こうしてまた一緒に演奏しているんだもんな。今までの人生が滲み出ているような感じだった。
ライヴ中盤で、演奏する曲が食い違ったのか、中断する場面があったのだが、その時バックステージにいたスチュアートさんがカーテンから顔だけ出して「どうした!?」と様子を伺う。その光景がコントみたいでおっかしかった!
途中でパットが、「手が動かない~」と言い出す。足も浮腫んでいるのか、しきりにペシペシ叩き出す。え、もしかしてエコノミークラス症候群??と、心配になってしまった。「もう54だぜオレ。」なんて言うし…。まあ無事に帰国したようなので良かったんですが、あんまり無理はなさらないようにして下さいね。
ジャズ・ブッチャーって昔から知ってるバンドなのに、今まで一度も深く追求した事がなかった。
リアルタイムで聴いていたのはこのアルバムだけ。
- アーティスト: Jazz Butcher
- 出版社/メーカー: Vinyl Japan
- 発売日: 2001/11/13
- メディア: CD
- クリック: 6回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
このアルバムまでマックス・エイダ色が強かったんだな。そんな事も今回のライヴで強く実感した。(遅すぎ!)
初期はデヴィッドJも在籍していた。同じGlass Records仲間で、このアルバムにはSpacemen 3も参加している。
このレーベルはメイヨ・トンプソンのソロも再発してたし、80年代当時はかなり面白い事をやっていた。
80年代の終焉と共にレーベルも終わり、ジャズ・ブッチャーはクリエイションに移籍するのだが、ここからはアルバム単位ではほとんど聴かなかった。オムニバスCDやらギターポップ系のイベントによって、曲単位で聴いたに留まるというのが、今までのジャズ・ブッチャー体験だった。
ライヴ見に行く前からずっと自分の中では80年代回想モードだったので、ライヴ中もそうだったのだが、アンコールの最後の最後で唐突にヴェルヴェッツの「Sweet Jane」を歌い出した時はさすがにビックリした。
ちょうどこのブログに書き続けている友人と、最後に一緒に見に行ったライヴがルー・リードだったというのを思い出していたところだったからだ。
あれはちょっと苦い思い出だったという事も同時に思い出したので、歌を聴きながらぐっと胸が詰まってしまった。
そんな事もあって、この日のライヴは印象深いものとなった。
これ、良かったので、Spacemen 3再結成ライヴ時の映像も貼っておく。
ジェイソンのパートをパットが担当。生で見たかったよー
Ex-Spacemen 3- A Reunion of friends 2010- Walking with Jesus