佐藤史生展
向かうは宮城県登米市。道中、水戸でやっていたヨーゼフ・ボイス展は行かなかったのに、こっちは行くのかよ!という、ワケの分からんツッコミを自分自身に入れていました。つまり、ボイス展を開催している頃からずーっと気にしていたという事です。この2人を比較するのは明らかに無謀なんですが、どっちがレアなイベントかと訊かれれば、そりゃー佐藤史生展の方でしょう。(ヲイ!)
ああ、会場は予想通り遠かった…。でも、この距離的困難が、行ってみたいという想いを余計に募らせたのは確か。そして、行ってみたら過剰とも思える達成感に見舞われてしまった。別に、時間とお金さえかければ、そんなに行くのは難しくないんですが。車があれば、もっと楽だと思います。
実際に会場で展示作品を見ると、寡作な作家さんなのに、まだ読んだ事のない作品が沢山あるなと思いました。そんな中途半端なファンなのですが、会場内では「前期作品」「中期作品」と分けられていた、そのコーナーに展示されていた作品を見ると、言いようのない「想い」が込み上がって来ました*1。リアルタイムで読んでいたあの頃の「自分」と対面したかのような。萩尾望都の原画展を見た時も同じようなものを感じたんですが、それよりも更に更に強く感じました。「雨の竜」のカラー生原稿を見た時は、涙出そうになりました。言葉足らずで申し訳ないのですが、あの当時の佐藤史生の作品にも、70年代後半〜80年代半ばのある「空気」を感じます。って、それは当然の話なんですが。
本当は、未来を先取りしたかのような作品を描く作家さんとして、高い評価を得ている方です。
仙台から登米市内までは高速バスを利用しました。バスに乗っている間は、もうちょっと近くまで鉄道を利用した方が便利だったんじゃないかと思ったりもしたんですが、窓から見える風景を思い出してみると、そういえば神社をやたら見かけたな、とか、古い家がやたら残っていたな…と、そんなものを割と間近に見る事が出来たので、却って良かったんじゃないかなと今は思います。
これは記念館の近くで見かけた古い家。なんか可愛かったので。
予想以上に写真を撮る余裕がなくて、ちょっと残念。
まさか、まさか佐藤史生の原画展が企画されて、しかも見る事が出来るなんて思いもよりませんでした。そしてそんなイベントが実現しても、そんなにお客さんは来ないだろうと。実際、会場内は一時独占状態になりました。こんなにゆったりと見れるとは!予想通りになって、嬉しいような、悲しいような…。
あ、でもこれがもし東京で開催されたら、こうはならないと思います。東京に同じ企画は持ち込めないものでしょうか。ここの記念館で過去に行なわれた特別展のポスターを一通り見たのですが、ここの記念館のみで見られた企画ばかりだったような気がします。自信ないですが。
最後に、こんな贅沢な企画を実現させたスタッフの方々に熱く御礼を申し上げます。本当にどうもありがとうございました!
- 作者: 佐藤史生
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1996/04
- メディア: 文庫
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- 作者: 佐藤史生
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こちらに展示内容の詳細が書かれています。素晴らしいです。会場には作品リストがなかったので、とても参考になりました。
*1:あと、今から約20〜10年前の作品が「後期作品」となっていた。もう新作はお描きにならないのだろうか?