この世はレースのようにやわらかい

音楽ネタから始まったのですが、最近は美術、はたまた手芸等、特に制限は設けず細々と続けています。

「るきさん」

ある日本屋さんで物色していたら、ちくま文庫版のるきさんが目に留まり、つい立ち読みしてしまった。うちに帰ってからだって読もうと思えば読めるのに、何でまた…。レイナレイナとキャラが被ってるとか?いや、被ってない被ってない…。


でも、るきさんを読んだのは本当に久し振りだった。ディテールを見ると流石に時代を感じさせる。るきさんのおうちが黒電話なのは当時からギャグだったけど、世の中にはまだ携帯電話が行き渡っていなかった。えっちゃんが悪戦苦闘しているのはパソコンではなくワープロ。駅の改札には切符切りの人がいた!


読んでいくうちにふと思ったのは、遠い遠い未来のもの書きやら研究家やら何やらによって、この漫画が「昭和末期〜平成初期に於ける一級の風俗資料」として活用されやしまいか?という一抹の不安、であった。つまり作者の皮肉を込めた書きっぷりは、遠い将来通用しなくなるのでは?という事である。いや平成史を研究する為の資料は既に目一杯量産されているだろうからそんな事はないと思うんだけど、「わかりやすい資料」としてこの漫画は大きな役割を果たしてしまいそうな気がする。なんてね。
るきさん (ちくま文庫)