この世はレースのようにやわらかい

音楽ネタから始まったのですが、最近は美術、はたまた手芸等、特に制限は設けず細々と続けています。

exhibition

@神奈川県立近代美術館 葉山 浜田知明の作品は、凄惨、且つ硬質で、でもどこか醒めていて、メルヘンチックで、ユーモラスですらある。自分がこの世界観に興味を抱いてから、もう随分と長い。 浜田氏は現在92歳。何と、セツ先生と同じ1917年の生まれである。…

長沢節展

池袋のEchika池袋ギャラリーで、長沢節展が開催されているというので行って来ました。29日迄だそうです。おっと、危うく見逃す所だった。 ここは、ギャラリーとは言っても、Echikaの一角の壁面を解放しているだけなので、作品数は少ないです。でも、恐らく一…

没後25年 鴨居玲 終わらない旅 展

@そごう美術館 やっと、やっと鴨居玲の作品を生で見る事が出来た。 鴨居羊子はつい最近まで知らなかったけど、鴨居玲の絵だけは随分と前から知っていた。 その昔、西武ギャラリーで回顧展が開催されたのだが、ポスターを見て猛烈に気になりつつも、その時は…

フェリックス・ティオリエ写真展

@世田谷美術館 会期終了間際に行って来た。 世田谷美術館に行くのは何故か暑い季節の時が多い。今回もそう。行くだけでバテた。 なので感想は手短に。(ヲイ!) この展覧会でクローズアップされているのは19世紀のパリの風景や、田舎の自然風景の作品群で、そ…

時の宙づり - 生と死のあわいで

@IZU PHOTO MUSEUM 最初、割引券に使われているレースの白ドレス姿の女性の写真を見た時、尋常ではない雰囲気を感じ取り、凄く気になったんだけど、場所の遠さがネックとなり、行く気が萎えていたところ、ふと本屋さんでこの展覧会のカタログを見付けて、手…

アガタ竹澤ビル訪問 メモ

「複合回路」vol.1田口行弘展 @gallery αM 通常は「ギンギンに明るい」(田口氏談)ギャラリーの照明が、今回は極端なまでに薄暗く落とされていて、一瞬入るのに躊躇した。 最初、展示の意図がよく分からず、展示スペースの反対側にある部屋に貼られていた手…

前衛下着道 - 鴨居羊子とその時代展

@川崎市岡本太郎美術館 戦後、女性の下着デザインに革命を起こした一女性の足跡を辿る回顧展。 カモイヨーコってシラナカッタんだよー!つい2年ほど前まで。昔TVにも出てたんだって?全然見た事なかったよーっ!何で昔買った雑誌の細江英公特集に彼女の名前が…

佐藤史生展

@石ノ森章太郎 ふるさと記念館向かうは宮城県登米市。道中、水戸でやっていたヨーゼフ・ボイス展は行かなかったのに、こっちは行くのかよ!という、ワケの分からんツッコミを自分自身に入れていました。つまり、ボイス展を開催している頃からずーっと気にして…

オブジェの方へ −変貌する「本」の世界−

@うらわ美術館 会期終了間近、滑り込みで見てきた。以下、つらつらと印象を述べておきます。 「本」という形態だけは持ちつつ、読まれるという機能からほぼ逸脱した作品達が展示されていた。 中に手袋が仕込まれている作品があって、これをはめてページをめ…

小村雪岱とその時代 粋でモダンで繊細で @埼玉県立近代美術館

小村雪岱は大正、昭和初期にかけて美人画や新聞、雑誌等の挿絵、舞台美術等、多彩な活動で世に知られた日本画家。 埼玉県川越市出身なので、作品を所蔵する埼玉県立近代美術館では、これまでにも何度か雪岱の展覧会を開催しているが、見に行ったのは今回が初…

瞽女と哀愁の旅路 斎藤真一展 @吉祥寺美術館

斎藤真一の絵もまた、村山槐多の絵のように、赤の印象が強い。村山槐多はガランス(茜色)。斎藤真一は朱色。 以前、この人の展覧会を、現在休館中の東京ステーションギャラリーで見た事がある。ここの、剥き出しにされた古い赤煉瓦と、作品の赤みとが上手く響…

ガランスの悦楽 没後90年 村山槐多 @渋谷区立松濤美術館

村山槐多は22歳という若さで夭折してしまったが、作品は東京国立近代美術館に常設展示されている事が多いので、割と見る機会には恵まれている人だと思う。それが近代日本美術の中で重要な位置にいるという証なのでしょう。しかし今回、これだけの作品を一気…

この前初めてここに行って来た。 見に行ったのは、内藤正敏「写真と民俗学」展。「婆バクハツ!」のあの写真(高山稲荷)に惹き寄せられるようにして足を運んだ。いやぁ凄いわ。恐らくほぼ明治生まれであろうあのお婆ちゃん達の迫力!揃いも揃って皆金歯が埋め…

尾形一郎 尾形優写真展「HOUSE」

@Foil Gallery フォイル・ギャラリーは、時間時になると隣からおいしそうなにおいが漂ってくるので、空腹時に訪れると、お腹の虫が刺激されて困るのだ。 という話は置いといて、この写真展で展示されていた驚異の風景達は、恐らく綿密な現地調査、そして時に…

一蝶リターンズ 元禄風流子 英一蝶の画業

@板橋区立美術館今年は英一蝶が三宅島へ流罪ののち御赦免になってからちょうど300年目にあたるそうで。それにちなんで開催されたというのがなんか洒落ている。 西の尾形光琳、東の英一蝶と並び称されているようですが、江戸時代の絵画にまだいまいち疎いので…

「麻生三郎とそのコレクション」展

@神奈川県立近代美術館 鎌倉 せっかくの連休なので、ちょっと遠出して鎌倉まで行って来ました。 この展覧会では麻生三郎自身の油彩画、デッサン等と、彼の収集した画家のコレクションが並列に展示されていました。展示数はそれほど多くないのですが、画家そ…

アガタ竹澤ビル 周辺 メモ

※週末にササッと見てきただけ。でも、どれも忘れがたい印象を残すものだった。 アガタ竹澤ビル内 宮本隆司展 「草・虫・海」 (TARO NASU) タイトルにある草と虫と海、それと鳥の写真が展示されていました。 雑草、昆虫、鳥は直接印画紙に置いて感光させたも…

「もう一回見に行くかもしれない」 と、ここに書き残しておいたので、また行ってみる事にした。 先週とはうって変わって、暑くもなく寒くもなく、どんよりと雲っていて、でも雨に降られるわけでもなく、とても快適な環境の中で見る事が出来た。 とりあえず写…

引込線

今年から「所沢ビエンナーレ美術展」というタイトルになったようです。そういえば去年も見に行ったんだっけ。去年も蒸し風呂の中で見たという印象が強かったけど、今年も炎天下の天候の中で見る羽目になってしまった。そして今年も古本まつりを覗きたかった…

ハービー・山口 写真展 ポートレイツ・オブ・ホープ

@川崎市市民ミュージアム ハービー・山口の写真展は、80年代にも見に行った記憶がある。お題はロンドンのミュージシャンのポートレートだった。今回もその辺が展示されていて、すごーくノスタルジックな気分になってしまった。 80年代当時、ハービーさんの写…

謎のデザイナー 小林かいちの世界

@ニューオータニ美術館 この展覧会は、「謎のデザイナー」というタイトルが利いているのかも。なんて書くといまいちな内容だったと思われるかもしれない。確かに見た直後は地味な印象を受けた。木版画は抑えた色数で刷られていて、なんだか渋い。しかし、妙…

堀内誠一 旅と絵本とデザインと

@世田谷文学館 堀内誠一の業績をまとめて見るのは今回が初めて。 まだ自宅の本棚の奥を探せば出て来そうな印刷物が、うやうやしく(?)展示されていて不思議でした。 うちは、母親が「ノンノ」派だった為、「アンアン」を自分で買ったのは1980年代に入ってから…

サガキケイタ個展「Birthday」@ CASHI

以前ここでも取り上げたCASHIで、サガキケイタ氏の個展が開催中。(id:almondeyed:20080615:p1) うまく表現出来ないんだけど、この人の絵を見ていると眩暈がしそうになります。 あえて蛍光灯の下で、チカチカした光を当てながら見るのがいい感じ。(なのか?…

[http://poche.with.mepage.jp/motai/:title=茂田井武]展 @ [http://www.chihiro.jp/tokyo/:title=ちひろ美術館]

フランスから帰って来て最初に見に行った展覧会。 茂田井武展は今までも開催されていたと思うんですが、実際見に行ったのは初めて。 今年は生誕100年という事で、展示作品の充実度はかなりのものだったんじゃないでしょうか。会場はこじんまりとしているのに…

[http://www.jeudepaume.org/:title=Jeu De Paume]

メトロでこのポスターが目に留まり、凄く気になったので行ってきました。 ジュ・ド・ポームは、現代写真専門の美術館。見てきたのはリー・ミラーとジョルディ・コロメールの展覧会。では先に見たジョルディ・コロメールから。 Jordi Colomer この展覧会で初…

[http://www.rmn.fr/Emil-Nolde:title=Emil Nolde @ Galeries nationales du Grand Palais]

10/14-23までフランスに行ってきました。 出不精なもので今回が初めての渡仏。 色々それなりに見てきたものの中から、印象深かった事などをぽつぽつと書いていこうかと思います。このエミール・ノルデの展覧会は、渡仏前には全然情報を仕入れていなかったの…

大竹伸朗 全景

見てきた。会場に入る前に目に飛び込んできた『宇和島駅』のネオンサインに受けた。 東京都現代美術館は広いので、見る時は体力勝負になるのだ。 という事は百も承知でいつも見に行くのだが、今回もバテた。つーか、個展でこれだけの作品数を一気に見たのは…