この世はレースのようにやわらかい

音楽ネタから始まったのですが、最近は美術、はたまた手芸等、特に制限は設けず細々と続けています。

マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展 (その2)

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チラシは2ヴァージョン。

 

フォルチュニの仕事ぶりを見ていて圧倒されたのは、彼は、興味を抱いた全ての造形物を、自分の手で創り出している所でした。

照明に関心が及ぶと、ランプシェードもデザインしてしまう。

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この展覧会は、天井部にも展示物があるので、見逃さないようにしましょう。

 

服飾関係なら、生地のプリントデザインや、

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織機をも設計してしまう。

彼が設計した織機は、今でも現役バリバリだそうです。

 

そしてフォルチュニは写真に対しても、鶏卵紙等の湿板写真から、ゼラチン・シルバー・プリント等、当時開発されたありとあらゆる印刷技術に精通し、印画紙技術の特許まで取得していました。

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雲だけを切り取った構図は、当時としては斬新だった。

 

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ステレオ写真も撮っています。

 

 どうやらフォルチュニは、油絵具も作っていたそうです。

あのボナールも、フォルチュニ絵具を愛用していたらしいです。すごい納得!

 

と、紹介しだすとキリが無くなりそうなので、次に父フォルチュニの、ローマにあったアトリエの写真を紹介して、おしまいにします。

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ユイスマンスの『さかしま』じゃないけど、この雰囲気は凄い!と思いました。

興奮!、鳥肌ものです。

この父にしてこの子あり、か。

 

とにかく、これを見て興味を持たれた方は会場に足を運んで、「20世紀のレオナルド・ダ・ヴィンチ」と讃えられた、フォルチュニの仕事ぶりを堪能してください。

10月6日(日)まで開催中。

 

※画像は、関係者の方から特別な許可を頂いて撮影したものです。