この世はレースのようにやわらかい

音楽ネタから始まったのですが、最近は美術、はたまた手芸等、特に制限は設けず細々と続けています。

ベルギー奇想の系譜展

ベルギー奇想の系譜 ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで | Bunkamura

Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の、この展覧会を見てきた。

 

昔はフランドルと呼ばれた、現在のベルギー領を含む周辺地域では、中世末期から写実的描写が盛んに描かれる様になり、キリスト教を主なテーマに据えて、想像力を駆使し、様々な異形の姿等を、これでもかとばかりに事細かく描いていった。

この展覧会では、16世紀のボス派の絵から始まり、ブリューゲル、ルーベンス、いきなり19世紀後半に飛んで象徴主義、20世紀のシュルレアリスムにコンテンポラリーアートまでをも網羅し、奇想の伝統をどう受け継いで行っているかというのが読み解ける展示内容になっている。

いやー面白かった。『聖アントニウスの誘惑』とか、『炎』とか、『骸骨』とか、そういうキーワードを拾いながら見ると、奇想の伝統はこう引き継がれて行ったのかというのが実感出来た。

 

 かつて、「奇想」という言葉を好んで使っていたのは澁澤龍彦だったか。

ベルギー絵画を積極的に日本に紹介していたのも、澁澤さん関係の人達だった。

 そのおかげなのか、Bunkamuraでは定期的とでも言っていいぐらいの間隔で、ベルギー関連の展覧会を開催しているし、今や「奇想」は異端ではなくて、むしろメジャーになっている。

 

自分が最初にベルギー絵画を紹介する展覧会を見たのは『ベルギー象徴派展』だった。Bunkamuraでやってたのではなくて、もっと昔に開催されたやつ。

自分が自主的に美術館へ足を運ぶ様になったごく初期の頃に見た企画展だったので、正直わけが分からなかった。まだラファエル前派も知らなかった頃だし。でも凄いインパクトだった。

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最近、チケットの半券が出て来たのでビックリ!無くしたとばかり思っていた。

ジャン・デルヴィルの『スチュアート・メリル夫人の肖像』が使われているんだもんなー。そりゃ捨てたら呪われそうだ。

 

ベルギー奇想の系譜展は9/24(日)迄開催中。8/23からは後期展示。