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この世はレースのようにやわらかい

音楽ネタから始まったのですが、最近は美術、はたまた手芸等、特に制限は設けず細々と続けています。

『月映(つくはえ)』田中恭吉・藤森静雄・恩地孝四郎

ART,exhibition

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東京ステーションギャラリー - TOKYO STATION GALLERY -

これは名古屋に巡回していた辺りから何となく気になっていた展覧会だった。

何せ、今から丁度100年前に発行された『月映』という版画同人誌の事を、この展覧会が開催されるまで知らなかったもので。

一体どんな体裁の本だったのだろう?という関心から、とりあえずこの3人のバックグラウンド等を下調べすることをせず、ほぼまっさらな状態で見に行った。

会場で作品と向き合ってみると、この人達は登場する時代が違っていたら、多分バンドを組んでいたんじゃないかな〜、という妄想に取り付かれて止まらなかった。

田中恭吉は優れた詩を書くバンドのカリスマ的存在。それに追従する様にどんどん優れた作品を生み出す恩地孝四郎と藤森静雄。

3人の展覧会の告知ポスターはライヴの告知ポスター。月映最新号宣伝ポスターはアルバム宣伝用ポスター。田中恭吉追悼展のポスターは、リーダーを失ったバンドの終焉を告げる告知。

手摺りの作品はオリジナル。機械摺りの作品はヴァージョン違い。オリジナルの手描きから摺師が版木に起こして刷った作品はカヴァーヴァージョン。

しまいには月映の表紙を見てこのアルバムが思い浮かぶ始末。

 

 

毛氈(もうせん)

毛氈(もうせん)

 

 

あんまりにもイメージが合致するので、これはイカンと思い直し(?)、この本を読んで活動内容の経緯や、そもそも田中恭吉についても未知だったので、どんな人だったのかも調べる事にした。 

 

月映(つくはえ)の画家たち―田中恭吉・恩地孝四郎の青春

月映(つくはえ)の画家たち―田中恭吉・恩地孝四郎の青春

 

 

 この本を読むと、やはり今から100年前にエッジがたっていた人達は、こういう表現を追求するのだなと。

月映は幻の版画誌と言われているから、当時は全く売れなかったんじゃないかと思われている様だが、号によっては残部僅少になっていた様だし、きっと当時からこの本を熱狂的に支持していたファンが存在していたんじゃないかな。100年前の高感度なファンってどんな人達だったのだろう?そこまでに関心が及ぶような展覧会だった。

 

11月3日迄です。まだの方は是非。