日本ホビーショー2015に行って来た。
ホビーショーって随分前に一度行ったきりなんだけど、あの時は企業中心の見本市的意味合いが強い印象だった。
しかし今のホビーショーは、企業と個人のフリマみたいなスペースが渾然一体となった、ゾンビ的イベントに肥大していた。昔は食い物ゾーンなんて無かったぞ。
会場には幾つものワークショップスペースが設置され、その中にいる人々はみんなうつむいて黙々と手を動かしている。
コミケなんかにも通じる内向きの熱気という様なものが伝わってきて、凄い。そして、こちらはもっと年齢層が幅広い。というか、高齢者多数参加。
デコの上に盛り!
手芸っていうのは本来無くてもいい飾りを、あると生活が潤うとか、目印になるという観点から、制作する作業の事を言うのだろうけど、それが行き過ぎると過剰なものになる。
例えばネイルアートなんて、昔は爪に色を塗って終わりだったのに、今やその上に更にキラキラものなどでゴテゴテと飾り立てるのが主流になってしまった。
わたしは爪にそんなもの付けたくないと思っている人間だ。手作業の邪魔になる。
でも、会場にはネイルアート専門のエリアまで設けられている。もうね、完敗よ。(←何に?)
この、“盛り”の過剰さは、戦国時代の甲冑にも通じるものがある。
飾り立てられるアイテムって、意外と有限なんじゃないのかなと思っている。だからそのスペースが飾りで埋められてしまったら、更にその上に積み重ねられる。
今のホビーショーって、まさにそんな状態なんじゃないか。
これってパランプセスト?いや意味が違う…。
販売商品の少ない場所に価値あり?
それにしても、おっそろしく沢山のブースを巡って来たけど、中には売上金を剥き出しのまま無造作に置いてある売場もあって、通常のがんじがらめに管理された店舗とは全く違う香具師のような怪しさを醸し出している所もあった。
いやもうこの辺から、この道一筋かどうかは分からんけど、相当年季の入った雰囲気の人がメインでやっている、あんまり積極的に物とかを売ろうという気力の無いブースの方に目が行くようになって来た。そういう所でもお客さんが途切れずに入ってきたりするので。
ああいう場所の方が結構、物ではなく情報や、或いは知らなかった手芸の技法なんかがぽろっと入手出来ちゃったりするのだ。
という事に気付いたのは、閉館時間が差し迫ってからの事であった。時すでに遅し。
次回は是非、あの会場内でいちばん、あっても日常生活で何の役にも立たない飾り物を、ワークショップで作ってみたい。その場ではわーステキ!って盛り上がるけど、家に持って帰ると夢から醒めて、なんじゃこりゃ?ってショボンとなるような作品よ。しかも材料費が無駄に高いやつ。
来年は仕事を休んで、最低2日間は行くようにしようかな。そのぐらい居ないと分からない世界なのだ。まるで音楽フェスのようだわ。