炭鉱のカナリア
mmfa.exblog.jp
もう終了してしまったが、浅草橋にあるマキイマサルファインアーツで、『炭鉱のカナリア』を見てきた。
かつて炭鉱では、坑内の有毒ガスをいち早く察知する為、反応が敏感なカナリアを連れて、炭鉱員は地下に潜って行ったという。
自分は迂闊にもこの事を知らなかった。山本作兵衛の絵にカナリアは登場していたのだろうか?完全に見落としていた。
1995年3月20日、オウム真理教による地下鉄サリン事件が起きた2日後、旧上九一色村にあったオウム真理教の施設に強制捜査が入る。その時捜査に入った警察官も、カナリアの入った鳥かごを手にしていた。この時の捜査には、2羽のカナリアが活躍したという。この事もこの展覧会を通じて初めて知った。
地下鉄サリン事件については、最近になってからも、本当は自分もあの電車に乗る筈だったけど、その日に限って乗らなかったから事件に遭わずに済んだという話を聞いたりしていたので、まだまだ歴史上の事件としては捉えられない。
かつてカート・ヴォネガットは、『芸術家は炭鉱のカナリアであらねばならぬ。』と説いたという。
小さくてか弱くとも、果敢に危険な現場に赴き、真っ先に命を落とす。そんなイメージか。
会場の展示作品は、必要最小限度のものに留められたような印象。そこに作家さんが駐在し、来館者と対話するその内容によって場の雰囲気が変化する。それが面白かった。
わたしは、ギャラリー内からカナリアの鳴き声が聞こえて来た時、何故かこの曲を思い出していた。冒頭に流れる鳥のさえずりは、ずっと電子楽器による合成音だと思ってたんだけど、本当のところはどうなんだろう?