この世はレースのようにやわらかい

音楽ネタから始まったのですが、最近は美術、はたまた手芸等、特に制限は設けず細々と続けています。

大理石とニットとの出会い

石川 直也 展 ー 日常 ー 

KANEKO ART TOKYOで石川直也展を見る。大理石の彫刻作品が4点。白で統一された空間に、ずっしりとした重量感が漂う。作家さん本人にお話を伺ったら、かなり運ぶのに苦労したらしいです。 

重量級彫刻作品の傍に、手首までの手を彫った彫刻作品が付けられたニット作品が、ポソッと展示されていた。 単なるオブジェかと思っていたら着る事も出来ると言っていたので、実際に作家さん本人に着用して貰った。

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作家さん本人曰く、最初は受け狙いでニット作品を作り始めたのだけど、アイデアが湧いてきたので、シリーズ化するかもしれないとの事。
ポートフォリオには、乳房のついたヴェストと、耳たぶのついたニット帽を女性に装着させている写真が掲載されていた。

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ペチャンコだった平面的な作品が、こうして肉体を通す事でムクムクッと立ち上がり、立体的に変貌していったのにおおおっ!となった。
ちょっとハプニング的なパフォーマンスを見ているような体験だった。こういうのはなかなか写真だけでは伝わらない。
ピョコンと飛び出した手首がもっとブラブラするように作りたかったと本人は反省していたけど、まあ、それは次の作品のコンセプトに繋げればいいのではないかと。なんて、上から目線で言っちゃってスマンです。

こんな不思議な作品に不意に出逢えるから、ギャラリー巡りは面白いのだ。