この世はレースのようにやわらかい

音楽ネタから始まったのですが、最近は美術、はたまた手芸等、特に制限は設けず細々と続けています。

『ホイッスラー展』。とか。


ホイッスラー展 ジャポニスムの巨匠、ついに日本へ

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連休は横浜美術館でホイッスラー展を見てきました。

去年は、ザ・ビューティフル展やオルセー美術館展でホイッスラーの絵を見る機会があった。残念ながらジャポニスム展は見逃してしまったが。
それらの展覧会ではホイッスラーを抽象絵画の先駆者と捉え、現代性を持った画家と位置付けたりもしていたが、こうやってホイッスラーの作品をまとめて見てみたら、やっぱり19世紀的なダンディズムを強く感じた。誰が何と言おうと、俺は俺の道を進んでいるのだという。その頑固さがあまりにも過激だったから、それが今でも色褪せない魅力となって、作品にも現れているのかなと。

そんな風に思ったのは、館内にある美術情報センターに展示されていた、ホイッスラーが活躍していた当時に発行されていたPunch誌等の、ホイッスラーに関する記事を目にしたからかも。
結構この人ってキャラ立ちしてたのね。風刺画でもかなりおちょくられていた。ビアズリーによる風刺画もあったぞ。
例の、ラスキンとの裁判沙汰については、日本でも明治43年に発行された『方寸』という雑誌で紹介されていた。意外と昔からこの事件の事は知られていたんだ。知らなかった。

展示されていた資料はそんなに多くはないんだけど、この時代が好きな人にとってはたまらない資料が揃っていて面白かったです。ここはホイッスラー展終了後の3月25日(水)まで展示されているようです。

ホイッスラーが使っていた筆は長かった…。意味もなくビックリ!


ホイッスラー展を見終わった後はこのコレクション展を見たんですが、これがなかなかの見応えだった。

横浜美術館コレクション展 2014年度 第2期 | 開催中の展覧会・予告 | 展覧会 | 横浜美術館

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写真撮影OKとの事だったので、遠慮しがちにちょっと撮ってみた。
左の絵は高橋由一の『愛宕山より品川沖を望む』(1881年)。右は渡辺幽香の『幼児図』(1893年)。
渡辺幽香の絵は、額の部分にも子供の喜ぶような絵が描いてあって面白かった。
渡辺幽香の父は初世五姓田芳柳。現在、二世五姓田芳柳の方の展覧会が開催されていて、これもなんか気になるんだよな。場所が遠いからなかなか行けないんだけど。

ミューズ特別展「二世五姓田芳柳~その知られざる画業~」を開催しています | 坂東市公式ホームページ


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この部屋はシュルレアリスム系の作品がまとまっていた。イヴ・タンギー、ダリ、デルボー、マグリット、エルンストetc…、そしてひっそりとギュスターヴ・モローの絵なんかも。

写真展示室では、以前東京国立近代美術館でやっていた『都市の無意識』で見て気になっていた金村修の作品に再会したりして。と、なかなか刺激されるものが多い展示内容でした。