この世はレースのようにやわらかい

音楽ネタから始まったのですが、最近は美術、はたまた手芸等、特に制限は設けず細々と続けています。

野中ユリ展 美しい本とともに

@神奈川県立近代美術館 鎌倉別館

野中ユリの展覧会って初めて観ましたわ。そういえば。
澁澤龍彦瀧口修造の展覧会に作品が出品されていたから、初めて作品を観たってわけじゃなかったんだけど。
こうして初期から現在までの作品がズラーッと並べられると、“圧巻!”としか言いようが無いです。


見る前は、この人の作品は印刷物の方が真の魅力を発揮するんじゃないかな?という、勝手な思い込みがあったのですが、なんとなんと、原画の方が美しいです。コラージュにしても、ホントに綺麗な仕上がりになっています。
それと、作品からは不思議な奥行が感じられます。これも原画を見ないと分からない感覚だ。


図録は買いそびれちゃったんだけど、その中に、彼女はすごく小さなハサミを使って作業をするというような事が書かれていた。ああ、やっぱりそうなんだ。
わたしも普段ハサミを使う事が多いのだが、やはり軽くて小さくて、それでいて切れ味の鋭いハサミがいちばん小回りが利いて使いやすい。最近は自分で研ぐようにしている。


会場内には小学生の姿がちらほらと。
片手には自由研究レポートの紙が。
どうやら、夏休みの自由研究レポートの宿題にこの野中ユリ展を選んでいるようだ。
羨ましい。わたしが小学生の頃なんて、こんな文化的なテーマのレポートを書くなんて発想自体が生まれ得ない環境だったぞ。
小学生の中には、文章に出来ないからなのか、ひとつの作品を熱心に模写する子もいた。


http://instagram.com/p/dELfzGEPsi/
オリーヴの下の瀧口修造と野中ユリ。『太陽』1993年4月号より。

この写真はなんか好きだなぁ。2人ともなんだか子どもみたいな表情をしているのだ。
細江英公が撮影してたんだ。