この世はレースのようにやわらかい

音楽ネタから始まったのですが、最近は美術、はたまた手芸等、特に制限は設けず細々と続けています。

藤牧義夫 関連?

東京都写真美術館田村彰英『夢の光』展を見てきた。
いくつかのセクションの中に、「赤陽」というタイトルの一角があった。おお、藤牧義夫の作品タイトルではないかと思ったら、まさにその通りだった。
そこに展示されていた大型カメラに古いレンズを取り付けて撮影された、街角で打ち捨てられてしまったかのような風景は、広角レンズで捉えられたせいなのか、鋭角で、幻想的だった。
でも、そのコーナーに展示されていた作品よりも、定点観測的な風景写真の方に、より藤牧義夫っぽさを感じたよな。と、見終わってしばらくしてから感じ始めた。


会場には、見に来た人達のメッセージが書けるノートが置いてあった。
撮影されている風景は、ここ40年以内の首都圏界隈のものが多数を占めているので、何がしかの思い出を、風景の中から読み取りやすいのだろう。
そんな思いが、ノートの中に数多く綴られていた。
この人の作品はどれも抑制がきいていて、素直にスッと入っていけるものだった。


もし、藤牧義夫が現代に生きていたら、こんな風に風景を描いていたかもしれない。


全然予備知識もなく見に行ったのだが、思いがけずいいものに出会った。


牧義夫といえば、以前神奈川県立近代美術館で展覧会を見た時に(id:almondeyed:20120220)、柄澤齊氏が藤牧作品とシャルル・メリヨンとの類似性を指摘していたが、あれってこないだまで開催していた『コレクター気谷誠の眼 鯰絵とボードレール展』の準備段階で見つけたんだろうなー。というのを発見したので、この展覧会はすごく行きたかったんだけど、叶わなかった。
ギャラリートークに参加すると、こういう楽屋裏が垣間見れて面白いのだ。ああ、見に行きたかったなぁ。。


けっこう、見逃した展覧会の方が痛恨の思いとして心に残っていたりするのだ。
それが、次回の展覧会やらイベントこそ見に行こう!というモチベーションに繋がっているのです。