この世はレースのようにやわらかい

音楽ネタから始まったのですが、最近は美術、はたまた手芸等、特に制限は設けず細々と続けています。

武蔵野美術大学の展覧会


もう展覧会自体は終わっちゃったんだけど、この2つの展覧会はちょっと心に響くものがあった。
なんとなく、ムサビという大学の立ち位置が見えたというか。
それは実は、通信教育部ではあったけど、自分もかつてここに通った事があるからなんだろうなと。
勉強が苦手なので、結局卒業はしなかったんだけど。


大辻清司の写真からは、脆い土地にコンクリートをかさぶたのように這わせて、一見近代的空間をこしらえたような、危うい世界観が透けて見えてきてドキリとした。まるでこの大学の存在感そのものではないかと。
でも、わたしが通っていた頃よりは、それなりに歴史を重ねてきた風格のようなものも漂っていたな。


展示されていた書物の中で、筑波大学が出していた現代詩の本みたいなのが興味深かった。あれ、もうちょっとじっくりと腰を落ち着けて見たかった。北園克衛の事も書いてあったし。確か1981年発行だった筈。年代的にも気になる。


「継がれるもの〜」の方は、自分が気になる画家の作品達が、少ない展示数にもかかわらず、なかなかの高い確率で選ばれていたので、ギクッとした。そうか、無意識のうちに、この学校が持つ美の価値観が、自分の身体の中にも染みこんでいたのだなと気付かされた。