この世はレースのようにやわらかい

音楽ネタから始まったのですが、最近は美術、はたまた手芸等、特に制限は設けず細々と続けています。

@ラディウム-レントゲンヴェルケ

ラディウムは白い箱のような形状の建物で、外から中を伺い知るのはちょっと困難。なので、事前に情報を得ないで訪れる時は、まるでビックリ箱の蓋を開けるような気分で扉を開ける事になる。

作品は、無数のパンチ穴が開けられ、有機的な形をした薄いステンレス板という形状で、それが宙に浮いていた。

上からスポットライトが当てられていて、背後の白壁には作品の影が映し出されているのだが、見る距離、角度によっては魅惑的な表情をした女性の顔が浮かび上がってくる。もちろん作品自身の構造も同じ。作品によっては壁に留め付けられているものもある。

作品自体を見ていると影の存在は視界から失われ、影を見ていると作品自体は視線から失われてしまう。

ハードな素材を使っているにもかかわらず、何だか幻を見たような、ちょっと不思議な気分を味わった。