この世はレースのようにやわらかい

音楽ネタから始まったのですが、最近は美術、はたまた手芸等、特に制限は設けず細々と続けています。

『非現実の王国へ ヘンリー・ダーガーの謎』

見てきました。

ダーガーさんはあのヴィヴィアンガールズに、自らの若さのエキスを凝縮して全て捧げたか、または、彼女達に急速に吸い取られていったのではないか?全編に流れるあの作品達の密度の濃さが一貫して衰えないのは凄いと思った。私はダーガーの展覧会をちゃんと観てないから分かってないんだけど、やっぱり1つの作品を、たまに見返したりしながら、手直ししていったんだろうな。という事は、感覚的には理解出来るんだけど、作品自体からも人生の時間の経過が思いのほか希薄に感じられた。それがこの映画の狙いなのかもしれないけど。作品はアニメーションになってたし。

多分時間そのものは、あの、亡くなるまで過ごしたアパートの中に積み重なっていたのだろう。現実世界でお付き合いのあった人数よりも遥かに多い、空想上の人物達と、ここで日々語り合っていたのだろう。あの部屋の中には入ってみたいと思った。