この世はレースのようにやわらかい

音楽ネタから始まったのですが、最近は美術、はたまた手芸等、特に制限は設けず細々と続けています。

The Splendour of Fear(その2)

id:almondeyed:20040309#p1の続き
前の書き込みの時は1983年11月発売と書きましたが、2in1CDには1984年2月発売と書いてありました。まあこのぐらいの時期のリリースという事です。


これは1stと一緒に聴いたので、音が凄くクリアーに聞こえました。
ドラムは相変わらず底辺でズンドコ鳴り響いている感じでしたが、ギターの透明感は絶品!でした。世の中にはこんなに美しい音があったのかと思いましたね。
インストのThe Optimist And The PoetやMexican Banditsで見られるディーバンクのミニマルなギターさばきはもちろん、ラストのA Preacher In New Englandの、リバーブがかったギターも素晴らしい!


曲自体も、1stよりはキチンとしたセオリーに則って作っているので、聴きやすいものになっていると思います。
その分、ローレンスのヴォーカルの特異性が浮き彫りになっています。
このアルバムでは2曲しか彼のヴォーカルは聴けないのですが、なんともいえず色っぽいです。ため息まじりの気だるさというか。ここの日記のタイトルにもしたThe World Is As Soft As Laceは、泣きのメロディーと相まって凄い事になっています。名曲です!
フェルトは一応普段着っぽいイメージで売っていたと思うんですが、ローレンスの雰囲気がエロティックなイメージをかきたてるのです。


全体的にはまだ、ディーバンクとローレンスがお互いの接点を探り合っているさまが感じられます。可能性がありそうな希望が見えていたのでしょうか。とにかく美しいアルバムです。でも美しすぎて引いてしまったのも事実。この辺の自分のひねくれ加減にはほとほと嫌気がさしますが。
だからというわけでもないのですが、次のアルバムからは聴く順番がバラバラになってきます。でも一応アルバム発表順にこれからも感想文を書いていこうと思っています。
まあ、引いちゃったとはいっても、当時この2枚はかなり聴き込みました。そう、ちょうど今ぐらいの時期に初めて聴いたせいか、春先になると無性に聴きたくなります。新しい門出の時期に、妙にシンクロしてくるのです。将来への希望と不安っていうのが、初期アルバムのキーワードかな。すいません。これはタイトルや歌詞の内容をあまり読んでいなかった時のイメージです。