この世はレースのようにやわらかい

音楽ネタから始まったのですが、最近は美術、はたまた手芸等、特に制限は設けず細々と続けています。

Crumbling The Antiseptic Beauty(その1)

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  • 邦題:「美の崩壊」
  • アナログの帯コピー:「ストイックなサウンドを追及するFELTがその全貌を明らかにしたデビュー・ミニ・アルバム。ロンドンの空は今日もダーク&メロー。」


何でロンドンなんだよと突っ込まずにはいられないんですが、20年前のコピーですし、まあ大目に見よう。


1982年の秋頃、読んでいた雑誌に載っていた、ジャケットに写っている東洋人風の男の子が投げかけるうつろな視線を初めて見た時は、かなりドキッとさせられたものです。


当時の表の音楽シーンは、デュランデュランみたいな陽のアイドル*1が幅を利かせていたので、このフェルトのアルバムジャケットから漂う陰の雰囲気は、鬱々とした学生生活を送っていた自分にとっては、どこか身近に感じられる存在にも見えたのと同時に、文学的、神秘的なイメージも感じ取っていました。


私はこのアルバムの存在を知ってから実際に聴くまでに、約1年半の月日を要しました。当時は地方都市に住んでいたので、注文という手段でも取らない限り、ただボーっとレコード屋に行っただけじゃ買えなかったのです。
このタイムラグは、今考えるとちょっときつかったなぁ。やっぱり音も、存在を知った当時に聴いてみたかった。
何故そう思ったかは次回に回します。


最初の日本盤にオリジナルデザインが使われて本当に嬉しかったです。それがたとえローレンスにとっては不本意だったとしても。これは本当に美しい。
4月に再発される日本盤はやっぱり現在の紙ジャケのデザインに従うんだろうな。
でも日本盤という事で、独自のアプローチもしてくれないかなと、ほんのちょっぴり期待もしています。

*1:でも、彼らもフェルトと同郷なんだけどね。皆同じくバーバレラという地元のクラブに出入りしてたみたいだし。