この世はレースのようにやわらかい

音楽ネタから始まったのですが、最近は美術、はたまた手芸等、特に制限は設けず細々と続けています。

ART,exhibition

ヴァロットン ― 黒と白 展 (その2)

その1からの続きです。 ※画像は主催者側の許可を得て撮影しています。通常は一部エリアを除き、撮影禁止です。 ミシア・ナタンソン(セール) ヴァロットンは1893年、ロートレック、ゴーギャン、ボナール等がいる『ナビ派』という芸術グループの一員になります…

ヴァロットン ― 黒と白 展 (その1)

先日、『ヴァロットン ― 黒と白』の特別内覧会に参加してきました。 スイス出身のフェリック・ヴァロットン(1865-1925)は、19世紀末〜20世紀初頭にかけてのパリで活躍した画家です。 日本で本格的な回顧展が開催されたのは、2014年の三菱一号館美術館が最初…

ボテロ展 ふくよかな魔法

Bunkamuraザ・ミュージアムでは現在、フェルナンド・ボテロ(1932〜)の展覧会が開催中です。 日本でこれだけの大規模な展覧会が行われるのは、実に26年ぶり! 先日、特別内覧会に参加してきました。 ボテロの展覧会を見るのは、今回が初めてです。 ※画像は本展…

ソール・スタインバーグ シニカルな現実世界の変換の試み

www.youtube.com ギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催中の、ソール・スタインバーグ展を見てきた。 最初に展覧会情報を目にした時、このポストカードの絵柄がパッと頭に浮かんだ。 このポストカードを手に入れたのは確か、上京して初めて訪れた(昭和の時…

イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜展

三菱一号館美術館で現在開催している、この展覧会のブロガー内覧会に参加してきました。 ※展示室内の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。通常は一部を除き撮影不可です。 イスラエル最大の文化施設であるイスラエル博物館が誇る、印象派、ポスト印象…

「テート美術館所蔵 コンスタブル展」

三菱一号館美術館で現在開催中のコンスタブル展の、ブロガー内覧会に参加してきました。 ジョン・コンスタブル(1776-1837年)は、19世紀のイギリスで活躍した風景画家です。 というと、真っ先に思い浮かぶのはコンスタブルではなく、ターナーではないでしょう…

電線絵画展 ―小林清親から山口晃まで―

「電線絵画展-小林清親から山口晃まで-」 | 展覧会 | 練馬区立美術館 電気が開通した明治以降に、電線や電柱を描いた絵画を集めた、すごくユニークな展覧会だった。 今まで目にしてきた都市風景を描いた作品が、電線、電柱のフィルターをかけて見ると、こ…

1894 Visions ルドン、ロートレック展

オディロン・ルドン『グラン・ブーケ(大きな花束)』の部分。 三菱一号館美術館では現在、開館10周年を記念した、『1894 Visions ルドン、ロートレック展』が開催中です。 前期展示は11月23日までで終了。現在は後期展示です。 後期展示開始日に行われた、夜…

東郷青児 蔵出しコレクション 〜異国の旅と記憶〜

※ソーシャルディスタンスを意識しているうちに、ブログからも遠ざかってしまいました。反省。気合を入れて再開します。 開催日前日に行われた、東郷青児 蔵出しコレクションのプレス内覧会に行ってきました。 ※画像は主催者からの許可を得て撮影したものです…

3月の行動記録

3月も終わり。 コロナがいつの間にか生活の中心になっている。 東京オリンピックが延期になったが、自分の父親は開催が決定した頃から、TVで「オリンピック」という単語が発せられる度に、 『オリンピック反対!』 と叫んでいた。 今は呆れ果てたのか無反応…

画家が見たこども展 ゴッホ、ボナール、ヴュイヤール、ドニ、ヴァロットン

開館10周年記念 画家が見たこども展 ゴッホ、ボナール、ヴュイヤール、ドニ、ヴァロットン|三菱一号館美術館(東京・丸の内) ※記事に掲載した画像は特別な許可を頂いて撮影しています。通常は許可された場所以外撮影禁止です。 『画家が見たこども展』のブ…

―「鋸鹿」発見100年― 磁州窯と宋のやきもの 展

静嘉堂文庫美術館では18日から、『―「鋸鹿(きょろく)」発見100年― 磁州窯(じしゅうよう)と宋のやきもの』展が始まりました。 中国宋代(960~1279)に作られた陶磁器を「宋磁」と言いますが、その中でも名品と讃えられているのが、カギカッコで強調されている…

印象派からその先へ―世界に誇る吉野石膏コレクション展

三菱一号館美術館で現在開催している、『印象派からその先へ― 世界に誇る吉野石膏コレクション』展のブロガー内覧会に行ってきました。 サブタイトルに『石膏』の文字があるので、彫刻作品もあるのかな?と、勝手に思い込んでいたのですが、全点平面作品でし…

スタシス・エイドリゲヴィチウス イメージ―記憶の表象

スタシス・エイドリゲヴィチウス:イメージ——記憶の表象 | 美術館 スタシス・エイドリゲヴィチウス(1949〜)の、国内では初となる大回顧展が、武蔵野美術大学美術館で開催されている。 スタシス・エイドリゲヴィチウスと、フルネームで書かれるとピンと来なか…

引込線/放射線

hikikomisen-hoshasen.com 『引込線/放射線』に行ってきた。 引込線は2008年の『所沢ビエンナーレ・プレ美術展 引込線』という名称から始まっている。 この時は所沢駅の整備施設がメイン会場だったが、その後会場を転々とし、所沢駅からは遠ざかっていた。6…

みんなのレオ・レオーニ展

『みんなのレオ・レオーニ展』公式サイト:朝日新聞デジタル 『みんなのレオ・レオーニ』と、『みんなのミュシャ』って、タイトル被ってるな。 それはさておき、レオ・レオーニ(1910-1999)は、オランダ生まれのユダヤ人。と、ここまではあのメスキータと一緒…

入門 墨の美術-古写経・古筆・水墨画 (その2)

almondeyed.hateblo.jp この記事から続きます。 紹介する順番がメチャクチャになっていますが、この展覧会の第1章は『祈りの墨〜古写経』というテーマで、奈良時代の古写経を展示しています。 ※館内の写真は、関係者の許可を得て撮影したものです。 『華手経…

入門 墨の美術-古写経・古筆・水墨画 (その1)

静嘉堂文庫美術館では、8月31日から『入門 墨の美術-古写経・古筆・水墨画』が始まっています。 この展覧会の、開催初日に行われた内覧会に参加してきました。 静嘉堂文庫の企画は、雛人形や刀といった、馴染みはそれなりにあるものの、ちょっと敷居が高そ…

原田治展 「かわいい」の発見

https://www.setabun.or.jp/index.html 原田治の『ぼくの美術帖』を読んできた者としては、必見の展覧会だぞこれは!と、鼻息荒くしながら見に行った。 ぼくの美術帖 【新装版】 作者: 原田治 出版社/メーカー: みすず書房 発売日: 2019/07/10 メディア: 単行…

メスキータ

東京ステーションギャラリー - TOKYO STATION GALLERY - メスキータ展、ようやっと見てきた。 『メスキータ』。このインパクトのある名前。そして、この鋭くくっきりとしたコントラストの作品達が、何故今の今までこのような形で紹介されなかったのかが、謎!…

『遊びの流儀』遊楽図の系譜

サントリー芸術財団50周年 遊びの流儀 遊楽図の系譜 サントリー美術館 野外や邸内で遊んだり踊ったりするさまを描いた画を『遊楽図』と呼ぶ事を、この展覧会で初めて知った。 「遊びをせんとや生まれけぬ」 は、『梁塵秘抄』の有名な一節。 遊びは人間が生き…

マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展 (その2)

チラシは2ヴァージョン。 フォルチュニの仕事ぶりを見ていて圧倒されたのは、彼は、興味を抱いた全ての造形物を、自分の手で創り出している所でした。 照明に関心が及ぶと、ランプシェードもデザインしてしまう。 この展覧会は、天井部にも展示物があるので…

マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展 (その1)

三菱一号館美術館では現在、マリアノ・フォルチュニ展が開催されています。 最初にこの展覧会のチラシを見た時、この人はただのファッション・デザイナーじゃないんだろうなきっと…。という雰囲気を漂わせていて、とても興味をそそられました。 ファッション…

書物にみる海外交流の歴史

静嘉堂文庫美術館 静嘉堂文庫美術館で開催中のこの展覧会は、書物を通じて、日本と海外がどのように交流してきたかを読み解くのが狙い。 江戸時代に書かれた、海外文化を紹介する本や、海外の書物に影響されて書いた本、更には辞書や字典までもが展示されて…

ある編集者のユートピア 小野二郎:ウィリアム・モリス、晶文社、高山建築学校

ある編集者のユートピア | 世田谷美術館 SETAGAYA ART MUSEUM 最初この展覧会の情報を目にした時は、会場を思わず二度見してしまった。 せ、世田谷美術館? 世田谷文学館じゃなくて?と。 小野二郎(1929-1982)は、晶文社を立ち上げた編集者、英文学教授。そし…

へそまがり日本美術

へそまがり日本美術 - 禅画からヘタウマまで 令和に入って最初に見に行った展覧会はこれ。 開館前に行ったら、既に20人ぐらいの行列が!ビックリ!! でも、実際展示室に入ってみたらこの人気に納得。あんな脱力ゆるキャラ勢揃いな展覧会なんて、そうそうお目に…

『日本刀の華 備前刀』展

静嘉堂文庫美術館では、13日(土)から『日本刀の華 備前刀』展が始まっています。 展覧会初日に行われたブロガー内覧会に招待されたので、参加してきました。 ここ数年、刀剣乱舞人気によって日本刀が大注目で、あちこちの美術館・博物館で日本刀の展覧会が…

『ラファエル前派の軌跡』展

これは撮影可能スポットにあったセット。ロセッティの絵の中に入り込んだ写真が撮れる。 三菱一号館美術館では現在『ラファエル前派の軌跡』展が開催されています。 同館では過去、『ザ・ビューティフル-英国の唯美主義展』、『バーン=ジョーンズ展』といっ…

林忠正 ジャポニスムを支えたパリの美術商

すいませんうっかり更新が止まってしまいました。気付けばもう桜の季節…。 深井克美展は結局見に行けませんでした。代わりに3月は、都内の展覧会にピンポイントで回っております。 林忠正―ジャポニスムを支えたパリの美術商|開催中の展覧会予定|国立西洋美…

岩﨑家のお雛さまと御所人形(その2)

展示品の中には、岩崎家の稚児雛だけでなく、立雛や犬筥でも、かなり大きなサイズのものが出品されていた。 これが大サイズ(横43cm)の犬筥。江戸時代後期のもの。 対になっているんだけど、ガラスケースには一つしか入らない。存在感ありまくり。 これが大サ…